ファミリーレストラン大手のすかいらーくは2015年10月から、正社員や契約社員のほか、パート・アルバイトを含めた8万人超を対象に、定年を現在の60歳から65歳に引き上げる。8月18日、明らかにした。すでに労働組合とは大筋で合意しており、9月の取締役会を経て正式に決定する。
これまでは60歳になると一たん退職して、希望に応じて再雇用していた。1年ごとの契約となり、実質的に賃金水準が下がるケースがあった。定年を65歳に延長すると同時に、65歳以降は70歳まで再雇用制度で働けるようにする。新しい制度では、パートやアルバイトについても65歳まで賃金体系を変えない。
60歳以降も継続して働きたい人は「現在の待遇をそのままに、昇給や昇格もある形で働いてもらう」(すかいらーく)と説明。仕事へのモチベーションが下がらないように手当てした。
外食業やサービス業は深刻な人手不足から、優秀な人材の奪い合いが起こっている。同社では「接客や調理などのノウハウを有する、即戦力のシニア層を最大限活用することで、採用コストやトレーニングコストなども抑えて、生産性を維持、向上できると考えています」という。今後の出店拡大にもつなげる。