「オワハラ」が減った理由
面接を担当する役員や部長クラスには、この「勝手に推薦枠」を伝えていません。
事情を知らない役員・部長は、普通に面接をして、普通に落とします。
推薦枠で内定と思い込んでいた学生には、
「役員が(あなたを)気に入らなかった。そもそも、推薦枠と言っても内定を確約した覚えはない。内定を確信したのはそちらの勝手」
と言い逃れます。
これも、内定取り消しスレスレの話です。
かくて、オワハラと非難されることもなく、内定取り消しと非難されることもなく、役員面接まで一定の応募者数を揃えることができます。
今年は当コラム以外でも各マスコミから文部科学省の報告書まで、嫌な顔をした程度でもオワハラと大騒ぎになりました。
それもあってか、昨年まではオワハラをやって当たり前の金融業界でも、表立ったオワハラがなくなりつつあります。
30年以上の長きにわたって、オワハラを続けていた金融業界も、ようやく学習能力がついた、と言うことでしょうか(別に、毎年のように内定辞退者を責めて、それで未来の顧客をどれだけ逃しているのか理解できない無能のバカどもめ、とは誰も言っていません)。
ただし、変に小ずるくなったな、という印象があります。
無能がいいか、狡猾がいいか、そこはまた議論の分かれるところ。
いずれにせよ、「勝手に推薦枠」に惑わされないよう学生の皆さんはご注意を。(石渡嶺司)