推薦枠決定は前年度踏襲から意外な理由も?
ところで、この推薦枠、どうやって決まっていくのでしょうか。
取材していくと、圧倒的に多かったのが「前年度からの踏襲」。
西日本某県の地方銀行は、地元の国公立大に推薦枠を設けています。
「なんで、と言われても、前年度からの踏襲ですね。経済系学部がある、というのも理由ですが、行内に出身者も多いので、わざわざ外す理由もありませんし」
東日本の信用金庫は、本店所在地に近い女子大に推薦枠を出しています。
「真面目な女の子が入っていますし、特段、増やす気もないですが、減らす気もありません」
調査していくと、意外な理由で推薦枠を決めている企業もありました。某運輸会社がスポンサーとなった映画でロケ先がなかなか決まりませんでした。何件も断られたあと、ある高校に話を持ち込んだところ、
「ロケ先としてお貸ししてもいいが、推薦枠をくれ」
この運輸会社はその高校に推薦枠を出したそうです。映画の撮影が終了し、この無茶ぶりをした進路担当教員もその高校からいなくなって、10年以上経ちます。が、この高校には、今もその運輸会社からの推薦枠が残り、就職しています。
他にも、元は政治家や学校法人経営者、寺院、有力OBからの働きかけ、というのは山ほどあります。