「いらっしゃいませ!」にビビる外国人 「おもてなし」を考え直す

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   先日、この様な記事を読みました。

プロから見て『日本の空港』は何がダメなのか 『おもてなし大国』なんて完全な幻想だ

   東洋経済ONLINEで2015年7月24日に配信された、さかいもとみ氏の記事で、私なりに一言で要約すると、「外国人からみたら、両替所で綺麗な新札を出すことがおもてなしじゃないんだよ!そんなことする余力があるなら、クレジットカードで電車の切符を買えるようにしたり、どのATMからも海外のクレジットカードで現金を引き出せるようにしたりしてくれよ!」という内容です。

「いきなりわけの分からない言葉で怒鳴られて怖かった」

いらっしゃいませ
いらっしゃいませ

   私はこの記事に全面的に賛成です。日本人は「おもてなし」ということを意識しますが、その「おもてなし」は、「自分がいいと思ったことをやる」という意味のおもてなしなのではないでしょうか。

   しかし、「自分がいいと思ったものは、必ずしも相手もいいと思うとは限らない」わけであり、特にバックグラウンドが違う外国人にはその傾向は顕著です。

   日本円の現金が当たり前に手に入る日本人にとっては綺麗な札がもらえるのは嬉しいことかもしれませんが、現金を手に入れるのが大変な外国人旅行者にとっては「そんなことより・・・」と怒りに火を注ぐことになりかねないのです。

   こういう「自分勝手なおもてなし」は、ここカンボジアでも感じることがあります。

   私の英語学校のフィリピン人スタッフ(私はカンボジアでフィリピン人を雇い、日本人に英語を教えるというややこしい事業もしています)が、先日できた日本の飲食チェーン店から帰ってきました。

「どうだった?」
「なんか、入ったらいきなりわけの分からない言葉で怒鳴られて怖かった」

   怒鳴られる?と聞くと穏やかではありません。なんか悪いことでもしたのかと思ってよくよく話を聞くと「いらっしゃいませ」の声だったことがわかりました。

「店に入っただけで、いきなり大声で怒鳴られて気分が悪くなった。もう行かない」

   お店に入ってきたお客様に「いらっしゃいませ」と言うのは、飲食業の常識であり、日本国内のほとんどの飲食店では必ず行われています。従業員研修でも必ず行われていることで、これを疑う人はいません。

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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