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企業の規模、勢いだけでの判断はNG?

   では、企業の規模、勢い、将来性などで判断すればいいのでしょうか?

   それも違うでしょう。そもそも、企業の将来性を確実にわかるのであれば、私はライターなど廃業して株式投資家になっています。

   分かりやすい例として、ミクシィを挙げましょう。

   1999年、有限会社イー・マキューリーとして設立、翌2000年に株式会社化した同社は、2006年に現社名に改称します。

   が、おそらく2000年から2003年ごろにかけては、よくあるITベンチャー企業の中の一社に過ぎません。そこに入社すると言っても、大学の友人からは「どこだ、そこ?知らんぞ」と言われたことでしょう。

   2004年にmixiの運営を開始、2005年から2007年にかけて爆発的に利用者が増えます。2005年に100万ID、2006年には800万ID、2007年9月には1400万IDに到達します。

   2006年には東証マザーズに上場、ビジネス雑誌などにも注目されます。おそらく、このあたりではミクシィは人気企業となっていました。

   ところが2008年ごろから勢いが止まります。さらにSNSでは、TwitterやFacebook、LINEが登場し、そちらが主流になっていきます。2009年から2012年ごろにかけては、学生の間では「ミクシィ?そういや昔やっていたよね、でも将来性はない、オワコンでしょ」という扱い。

   ところが、ミクシィは2013年、スマホ向けゲーム「モンスターストライク」の提供を開始。半年で利用者は500万人を突破します。こうなると、学生の間では「ミクシィ、将来性ありそう」。

   ここまで乱高下する企業も珍しいでしょう。が、それくらい、先行きは読めないのです。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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