東京証券取引所の市場第1部と第2部に上場する企業のうち、2人以上の独立社外取締役を選任している企業が全体の42%、1025社にのぼることがわかった。日本経済新聞が2015年7月28日付で報じた。15日までに東証に提出されたコーポレートガバナンス報告書で、独立社外取締役の選任状況を調べた。2014年(413社)の2.5倍に増えた。
新興市場でも対応進む
独立社外取締役とは、社外取締役が企業から便宜を受けて独立性を失ってしまった、米エンロン事件をきっかけに広がり、社外取締役よりも独立性が高く、企業監査に長けた者を独立取締役として取締役会に迎え入れる動き。
日本では東証が15年6月に導入した企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)で、東証1部、2部に上場する企業に対して「2人以上」の独立社外取締役の選任を求めている。
2014年から2倍超に急増したことについて日経では、選任しない場合には理由の説明が必要になるため、企業が対応を急いだとみている。
また、指針が直接の対象としていない新興市場でも対応が進んでいて、複数の独立社外取締役がいる企業は、東証マザーズでは14年に比べて9ポイント増えて13%に、JASDAQでも7ポイント増の10%になっている。
一方、大和総研の調査(2014年12月「普及進む『独立社外取締役』」)によると、東証1部に上場する1814社のうち、「1人以上」の独立社外取締役を選任している企業は、2014年に61.4%となり、前年よりも14.5ポイントと大きく上がって初めて6割を超した。