「内定辞退に損害賠償」企業が踏んだ地雷 オワハラ狂想曲第2弾

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大物がブチ切れ

   仮に、この学生が全面対決を選択した場合、この流通企業の名前はばっちり出てしまいます。

   いくら内定辞退の非が学生にあるとはいえ、その企業へのバッシングは止まらないでしょう。そうなれば、仮に内定辞退による損害賠償(5万円)を勝ち取っても、その数百倍以上のマイナス効果が発生したに違いありません。

   どうも、この流通企業は、内定辞退学生のうち、気が弱そうな学生を狙い撃ちにしたようです。

   実際、この学生は、企業の請求通り、5万円を支払ったそうです。

   だから、内定辞退は怖い、ということで終わり、ではありません。この内定辞退学生は流通企業が睨んだ通り、気弱でしたが、一つだけ見込み違いがありました。

   それは、この学生が属する大学のキャリアセンターのトップが、キャリアの世界では相当な大物だったことです。

   事の次第を知ったトップは当然ながら激怒。

「確かに土壇場で内定辞退をしたうちの学生は悪い。しかし、だったら内定辞退をしないよう、そちらは工夫したのか?そもそも、損害賠償を実家に送りつけるとはどういう了見だ?」

   流通企業の採用担当は、喧嘩する相手が悪すぎると分かるや、全面謝罪。損害賠償はその学生1人にとどまりました。謝罪するなら返金しろよ、と個人的には思いますが、それはまた別の話で。

   その流通企業がどこかは・・・、無言を貫くということでお察しください。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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