大物がブチ切れ
仮に、この学生が全面対決を選択した場合、この流通企業の名前はばっちり出てしまいます。
いくら内定辞退の非が学生にあるとはいえ、その企業へのバッシングは止まらないでしょう。そうなれば、仮に内定辞退による損害賠償(5万円)を勝ち取っても、その数百倍以上のマイナス効果が発生したに違いありません。
どうも、この流通企業は、内定辞退学生のうち、気が弱そうな学生を狙い撃ちにしたようです。
実際、この学生は、企業の請求通り、5万円を支払ったそうです。
だから、内定辞退は怖い、ということで終わり、ではありません。この内定辞退学生は流通企業が睨んだ通り、気弱でしたが、一つだけ見込み違いがありました。
それは、この学生が属する大学のキャリアセンターのトップが、キャリアの世界では相当な大物だったことです。
事の次第を知ったトップは当然ながら激怒。
「確かに土壇場で内定辞退をしたうちの学生は悪い。しかし、だったら内定辞退をしないよう、そちらは工夫したのか?そもそも、損害賠償を実家に送りつけるとはどういう了見だ?」
流通企業の採用担当は、喧嘩する相手が悪すぎると分かるや、全面謝罪。損害賠償はその学生1人にとどまりました。謝罪するなら返金しろよ、と個人的には思いますが、それはまた別の話で。
その流通企業がどこかは・・・、無言を貫くということでお察しください。(石渡嶺司)