「内定辞退に損害賠償」企業が踏んだ地雷 オワハラ狂想曲第2弾

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「同業他社に内定」学生への「脅し」

   さらに暴走する若手だと、こんな話も。同業他社に3社内定した学生に対してです。

「うちとA社さんとB社さんな、みんなビジネス関係にあるんさ。で、あなたがうちでなく、A社さんでもB社さんでも選んだとしようか。ビジネス関係がある以上、あなたの悪い話も伝わりやすいけど、その辺も含めて考えてくれる?」

   この社とA社とB社は、商取引もあれば、採用担当者が個人的につながってもいます。

   ただ、その場合でも、この若手社員の話し方は、あまり賢いとは言えません。

   同業他社が同時に内定を出す、ということはそれくらい、その学生の優秀さを示しています。

   仮に、どこを選んでも、その社はもちろんのこと、他の2社もビジネスの相手として付き合っていくでしょう。

   「悪い話」云々はあまりにも安っぽい脅しですし、実際にはそんなことはありません。

   多少でも、営業経験のある社会人なら、思っても言えない話です。案の定と言いますか、これを話したとされる若手採用担当者は営業経験が全くない方でした。

   ご本人は自己評価で「できる採用担当者」と思い込んでいるようですが、取り返しのつかない事態になる前に気付くことを祈ります。

   さらに別の社では、リクルーター・若手社員の暴走を計算しているベテラン採用担当者もいました。

   それとなく伝えて、暴走するように仕向けるわけです。仮にばれても、リクルーター・若手社員が勝手に暴走したことにする、と。

   リクルーター・若手社員からすれば、都合が悪ければ切られる、まさにトカゲの尻尾切り。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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