「内定辞退に損害賠償」企業が踏んだ地雷 オワハラ狂想曲第2弾

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リクルーター、若手の暴走

   では、ここから企業側のやらかし。

   オワハラを色々と調べていくと、多いのがリクルーターや若手採用担当者の暴走でした。

   採用担当者でそこそこ長い人であれば、オワハラが企業側にとって損となることはよく分かっています。

   では、なぜリクルーターや若手の採用担当者が暴走するのか、それは話し方にあります。

   採用担当の役員なり、部長クラスの上司が気に入った学生がいるとしましょう。

   それを褒めたい、でも照れくさい役員・管理職は、言い方を若干変えます。

「▲大の×君、いい子だなあ。うちに来るように伝えておいて」

   この役員・管理職クラスからすれば、「いい学生に内定が出せた、ありがとう」くらいのつもりです。

   仮に内定辞退をしたとしても、無理に連れてきてすぐ辞められるよりは、内定辞退をしてもらった方がまだまし、という割り切り感は持っています。

   この微妙な言い回しを、ベテラン社員や、営業部門から配属されたエースクラスの採用担当はきちんと読み解きます。

   ところが、リクルーター、それも営業部門でも数年程度の若手社員や、採用担当の若手クラスだと、この微妙な言い回しを理解できません。

   「伝えておいて」→「絶対に内定承諾させろ」と勝手に変換してしまいます。

   勝手に業務命令ととらえてしまい、ついつい熱が入る、という次第。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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