8月1日(2015年)の就活「面接解禁」を間近に控え、「対話力」にあらためて注目が集まっている。「受験者全員を面接します 兵庫県西宮市は『対話力』重視」(朝日新聞、6月25日配信)といった取り組みも報道された。
一方で、対話力が求められるのは就活生だけではない。ある調査では、「働く人が考える『社会人全般に必要なチカラ』」の項目の1位は、「対話力」だった。この「力」、どうやって身につければ良いのだろうか。
職種、業界問わず、どこにいっても必要とされます
シンクタンクM1・F1総研(メディア・シェイカーズ)が発表した「ビジネスパーソン2000人に聞く『仕事で必要なスキル調査』」(2015年7月1日)によると、「働く人が考える『社会人全般に必要なチカラ』」のトップは、複数回答で91%以上の人が選んだ「対話力」だった。
選択肢は、「ストレス耐性」「行動力・バイタリティ」など22項目。調査対象は、実施機関の電通マクロミルインサイトのマクロミル会員パネル中、20?49歳男女、パート・アルバイト除く有職者、デスクワーク・接客や受付の屋内作業・営業や打ち合わせなど外回りを業務とする人たち。
対話力の必要性を感じている人が多いのは、ツイッターなどへの書き込みからもうかがえる。
「対話する力があると、職種、業界問わず、どこにいっても必要とされます。業界といっても、扱う商品は違えど、根本的には同じです。なぜなら相手とするのは人だから」
「社会人になってつくづく思うのは、難しい事をこなす能力より、基本的な人間力と対話能力。協調性」
といった指摘が多く寄せられている。
反面、対話力を身に付けることの難しさを実感している人も少なくないようで、
「また、自分の対話能力の低さに失望している( ゚∀゚)」
「どんな問題も結局は自分の対話能力の低さと、人に頼んだりお願いしたりするのが下手なのが原因なんだよなあ」
といったつぶやきも並んでいる。重要だと分かっていても、多くの人にとって、なかなかままならないのが現状のようだ。
日常生活の中でのトレーニング
では、どうすれば対話力を身につけたり、向上できたりするのだろうか。
対話力について『人生も仕事も変える「対話力」――日本人に闘うディベートはいらない』の著書がある、千葉大学大学院教授の小林正弥氏は、ITmediaエグゼクティブ記事「ビジネスにおいて『対話力』は非常に大きな意味を持つ」(2014年6月16日)の中で、次のように指摘している。
対話力とは、傾聴する力や考える力、話す力、振り返る力から成立し、「相手の話に意識を集中」する必要がある。対話力を磨くには、「1対1や多人数での対話のトレーニングや、電車の中での振り返り」などを日常生活の中で、できる範囲で行うことが重要だという。
いずれも一朝一夕に身につくものではなさそうだ。「できる範囲」で頑張りたいところだ。(KE)