仕事が圧倒的にデキる人といえば、「冷静、客観的、論理的」などのイメージがある。が、往々にして、それは「冷徹」とか、「人を見下したような言動」につながりやすい。そんな印象を裏づけるような、ニューヨーク・タイムズのコラムが話題になっている。
コラム「先見性あるリーダーらの悪しき振る舞い」(2015年6月26日)では、故・スティーブ・ジョブズや、アマゾンのジェフ・ベゾス、テスラ・モーターズのイーロン・マスクらが、勤勉で忠実な従業員を少しも大切に思わず、感謝もしなかった、と指摘。ベゾスは、アマゾンの従業員らに、「きみは怠けているのか、それとも無能なのか?」とか、「私の人生を無駄にするつもりか?」などと発言したという。成功者なら、高圧的で嫌味な発言も許される?
普通じゃないことを考えられる人の副作用?
コラムによると、ジョブズやベゾス、イーロン・マスクらにとって、従業員は「目的を達成するための手段」でしかないのだ。そんな「嫌なヤツ」であっても、カリスマ的に支持されるのは、経済的成功を収めているため「普通の礼儀や人間性さえ無視するような振る舞いが事実上、容認される」からだという。
同コラムは、東洋経済サイトでも日本語版が紹介され(7月7日)、ツイッターで多くの反応が寄せられている。「実際そうだと思うな~」とか、「どんなことをしてでも目的を達成するっていう強烈な信念があるんだろうな」など、おおむね納得するつぶやきが目立つ。
「逆に庶民は、敵を作らずいいヤツでいるべしということね」と、皮肉る人もいれば、「無遠慮というのは、普通じゃないことを考えられる人の副作用だと思う」と、普通じゃないイノベーションを起こしたカリスマが、無遠慮なのは仕方がない、との意見もあった。
「性格に難があると出世はできない」との指摘
『仕事が圧倒的にデキる=成功者≒嫌なヤツ』という公式は、ある程度、信ぴょう性があるようだ。ツイッターでは、「ある程度、性格が悪い方が仕事できる人間な気がする・・・」とか、「いい人が成功するわけねぇよ」などのつぶやきも目立つ。「男の世界では圧倒的に、『仕事できるけど性格悪い>>>仕事できないけど性格良い』だよね」という意見も。
自称「仕事できる」らしき人からは、「仕事しない奴に『性格悪い』って言われたところでね。仕事できるやつが正義」との主張もあった。なんだか、自信に満ち溢れている。
ただ、ごく『普通』の人たちからは、こんな声も・・・。
「めっちゃ仕事できるけど言い方きつい隣席の人に、うちのミスじゃないことなのにうちのミスみたいに言われてどうしていいか分からない。確かに自分はトロいし仕事できないけど、なぜこんな当たりがキツイのか・・・」、「ヘロヘロだ、つかれたー。性格キツイ人たちと仕事はしんどいわ。パワハラって自覚ないだろなー」――こうした嘆きの数々を見ると、仕事がデキる人たちの「性格のキツさ」が、時に周囲を追い詰めている可能性も、あるのかもしれない・・・。
一方で、「うちの会社に、仕事できるけど性格にちょっと難アリって人いるけど、まあまあの地位にはいるけどそれ以上にはなれないみたい。やっぱり性格に難があると出世はできないみたいね」と、まとめる人もいた。(KH)