女性の社会進出が叫ばれるなか、「産休・育休」制度の充実は企業にとって大きな課題となっている。いまだに眉をひそめるような人もいるが、「働く人の権利」として、理解は広がりつつある。
とはいえ、2人目、3人目と出産する女性が立て続けに産休・育休を取得するとなると・・・これも「当然の権利」と割り切れる?
その人に対して冷たい態度に
Q&Aサイト「発言小町」に、「育児休暇から復帰して半年で産休に入る!?」というトピックが立てられた(2015年7月3日)。
投稿者は30代独身の女性で、結婚願望なし、子どもも欲しいと思っていない。この4月に所属する部署の社員が1人減ったという。
同じ職場の30代後半の女性は、産休・育休を1年半ほど取得、この5月に総合職として時短勤務で復帰した。この女性の復帰を見越して、投稿者の部署には人員の補てんをしていなかったそうだ。
復帰後、投稿者の一部の業務をこの女性に引き継いでいたが、6月末になって「今年の11月頃からまた産休に入ります・・・」と言われたという。「私は心が狭いのでしょうか 正直、『おめでとう!』という気持ちになれませんでした」と正直な気持ちを告白する。
「年齢的に産める時に産みたい!という気持ちはわかります」
「勿論、『産みたい!』と言って産めるものではないと思います。人それぞれの体質にもよると思います」
と理解も示しつつ、
「しかし、そうであればそれ前提で復帰して欲しかった、と思うのです。人が減ったからといって、すぐに人は増やしてもらえません」
「その事実を会社に告げていれば、再び産休に入る前提で4月の人事異動で人が増えた可能性大。そう思うと、やりきれない気持ちです」
とモヤモヤしているようだ。
「気持ちが切り替えられず、その人に対して冷たい態度になってしまいます。自己嫌悪になります。こんな私になにかアドバイスお願いします!」
と、回答者に助けを求めている。
改善の道は「妊婦自身が会社に働きかけ」?
回答欄には、
「ご自身が、産休育休をとる可能性は低くとも、今後大きな病気をしたり、事故に会う可能性は誰しもあるかと思います。その時『お互い様だよね』と思えるように、今奉公しておこう、という考え方も一つではないでしょうか。上まで綺麗ごとです。私もおそらく『復帰する前に言えよ』って思うと思います。そのあとぐっと飲み込むための私の呪文が『情けは人の為ならず』です」
「気持ちを切り替えるしかないかなと思います。今年11月~来年4月まで、乗り切った後にはトピ主さんの評価やスキルは上がっていることと思います。自己嫌悪になるよりも、11月からをどう乗り切るか、そちらに気を向ける方が生産的だと思います」
など投稿者に理解を示しアドバイスするコメントが書き込まれる一方、
「そんなんだから少子化が解消されないんです。あなたが怒りをぶつけるのは、人員補充しない会社ですよ」
「トピ主が文句を言うべきは、ご自分のお勤めになっている会社組織に対してであって、一社員でしかないその女性に文句を言うのはお門違い」
など、「産休・育休取得は悪くない、人事でどうにかしない会社が悪い」というコメントも多く投稿され、盛り上がった。
「産休・育休を長期取得する人」VS「職場に残された者」・・・このバトルの解決法の1つになりそうな回答も。
「妊婦さん自身が会社に人員補充の要請ってしないのかな~、と。他の人に仕事のしわ寄せがいっていることは、わかるものですよね。だったら、妊婦さん自身が会社に対して行動を起こしてもいいと思う。勿論、それに対して会社が応じるかどうかは別ですが、行動するかしないかで周りの目も変わりますよね。私の勤めてる会社では、そうする妊婦さんは少なからずいます」
産休・育休に入る同僚の仕事をカバーする人も、休暇を取得する人自身も、もちろん雇っている会社も、真剣に向き合うべき課題だ。(MM)