オーナー経営者の保身が会社を滅ぼす 東芝問題から学ぶ「負の連鎖」

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「保身」をはねのける毅然たる勇気が求められる

   オーナー社長の「保身」はその思いが強い分だけ、命取りにもなり得るのです。S社長には、不祥事発生を社員のせいにせず、自身の経営者としての管理責任を正面から受け止める勇気、正直にすべてを打ち明ける勇気が必要だったのだと思います。「保身」から部下に責任を押し付けた勇気のなさ、「保身」から正直な対応を拒んだ勇気のなさが、最悪の結果へと導いてしまったのでしょう。その一挙手一投足がイコール企業であると言えるオーナー経営者にこそ、「保身」をはねのける毅然たる勇気が一層求められるのだと、私は実感しました。

   メネジメントの名著、『ビジョナリー・カンパニー2』に、成功する経営者に求められる資質として「うまくいった時には窓の外を見て、失敗した時には鏡を見る」とあります。「保身」は、まさしくこの逆をいく行為です。世のオーナー経営者の皆さんには、繰り返し意識に刷り込んで欲しい一言だと思います。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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