「報われない」優秀な社員の我慢のしどころ

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   どの会社にも優秀と認知された社員がいるものです。決して社内プロモーションがなされているわけではないのに、

「同期で1番優秀と言えば○○」
「営業部員では〇〇が特に優秀だ」

といったように、「××といえば○○」と、社内ブランド化されている人のこと。「優秀」であることは、このように社内で存在が認知されていることが前提にあります。

引き抜き警戒で「顔と名前出しNG」

言いたいことはあるが・・・
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   ただし、「優秀な社員」に関して対外的に表に出てしまうと引き抜きにあう可能性が高いため、その存在を隠すようになっています。取材したメーカーでは新卒採用の広報用パンフレットに「若手期待の星」と紹介されたところ、ヘッドハント会社から夥しいオファー(転職を促す)連絡が殺到。ついには競合会社に引き抜かれる事件が起きたとのこと。これに経営陣が大慌て、社内で優秀と誉れ高い社員に関して、「顔と名前出しNG」のお達しを出しました。

   同様の理由で優秀社員の名前を隠す会社は少なくありません。そのため、現在は「社内で優秀な社員」イコール「世間で有名な人」ではないケースが増えています。要するに、社内で有名な優秀社員が、社外においては実は「マイナーな人」だという、不思議な構造となっているのです。では、そんな社内だけで知られた優秀社員になる意味とは、どんなところにあるのでしょうか。

   当然のことながら、優秀な社員に対しては、周囲もその優秀さに見合った仕事を任せるものです。例えば営業の場合、実績が伸びる見込みが低い取引先を社内で優秀な社員にあえて担当させても得るものがありません。今話題の人気企業や、その人に任せたら大きく化ける可能性がある仕事、はたまた社中で皆が注目しているプロジェクトなど、いわゆる「おいしい仕事」を任されることになります。

   また、社内で「優秀」とされる有名人であるがゆえに、「この仕事は、誰にお願いしようか?」となった時に、「誰でもいい」ではなく、「できれば○○さんにお願いしたい」「○○さんでないとこの仕事はできないので、是非お願いしたい」といった具合に、バイネームで仕事が集まる状態になっていきます。

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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