中国の「空母が見えるマンション」で考えた バブルと「崩壊時の備え」

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とばっちりを最小限にするために

   この「ミンスクワールド」は、深セン駅からバスで30分以上離れたところにあります。さらにバス停から公園の中を15分くらい歩く必要があります。なかなか通勤、通学には不便なところです。バス停とミンスクワールドの間にちいさなショッピングモールがあり、スーパーやレストランなどはあるので、生活には困らなそうですが。

   こんなところ住む人はいるのか・・・と思っていたのですが、夜になってもあまり電気がついておらず、住人の数は少なそうです。ただ、モデルルームでみた売約表をみると、半分くらいは売れていたようなので、投資目的で買っている人がそれなりにいるのでしょう。

   日本の1980年代のように「土地神話」が信じられている中国では、この様にどう考えても駄目そうな不動産でも売れてしまい、それを担保に銀行がお金を貸し、借りた金でさらに・・・という連鎖が続いていきます。

   日本の土地神話の残骸は、新潟県越後湯沢あたりにある20万円くらいで売られているリゾートマンションのように、いまだに日本にも残っています。

   中国経済がこれからどうなるかは分かりませんが、日本人が海外で「爆買い」していた時代が90年代にあったように、歴史は繰り返されるでしょう。バブルが崩壊しようと「それでも地球は回る」のですが、そのとばっちりを最小限にするために個人でできることはなにか、考えて行動することは大切です。

   「爆買い」の恩恵を被りながら、やばくなったらさっと手を引く。そんなしたたかさが必要な時期になってきたのです。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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