労働Gメンの存在は、むしろブラック企業を強固にする

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失業はするけれども過労死のないシステムへ


   ついでに、処方箋も書いておこう。筆者のような雇用流動化論者は、残業時間ではなく、労働者の人数で雇用調整することを前提に考えている。つまり、残業時間には(たとえば)月45時間の上限を設けつつ、解雇をある程度自由化する。


   ABCマートで言うと、すごく忙しくなったら新たにバイトでも正社員でも雇って残業時間は45時間以内に押さえるけれども、業務が暇になれば誰かを解雇しますよ、ということだ。そりゃクビになる人にとっては面白くはないかもしれないが、失業給付を国からもらえば済む話だし、何よりたまに誰かがポックリ過労死する現状よりは、はるかにいいと感じるのは筆者だけだろうか。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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