ソニーがアジア太平洋地域市場向けに2015年6月9日に公開したヘッドフォンのYouTube動画広告が、注目を集めた。
この動画は、遠距離恋愛をしているシンガポール人の本物のカップルを起用したもの。ともにミュージシャンで、彼氏はオーストラリア、彼女はシンガポールに住み、およそ4000キロの距離を隔てている2人だ。
自分の声を吹き込んで
動画は、2人がビデオチャットで会話するシーンから始まる。「会えなくて寂しいよ」という彼女の表情や、チャットの映像を過度に加工せずそのまま使用する演出などが、この企画のリアリティーを伝えている。
離れていることはどうしようもできない。そこで彼女は、「知人の男性」からの提案で、以前彼氏と一緒に制作した楽曲に自分の声を吹き込んでレコーディングし、オーストラリアに贈ろうと考える。彼氏がいつでも自分の声を聞けるようにして、心の距離を埋めようとしたのかもしれない。
そして彼女は、その知人の男性と協力して自分の声を吹き込んだ音源の制作にとりかかった。しかしこの男性は、実は彼氏の「グル」だった。彼女に楽曲のレコーディングを持ちかけたのは、実はオーストラリアにいる彼氏に頼まれたからだったのだ。
彼女がこの「提案」に乗ってきたことを知った彼氏は、彼女がレコーディングした音源に自分の声をかぶせて吹き込んだ。先ほどの男性に協力してもらいながら、オーストラリアのスタジオで録音。こうしてこの企画は、彼氏が彼女に仕掛ける「逆ドッキリ」へと様相を変化させる。