「英語が話せるビジネスパーソンは、かっこいい。仕事もできそう」――何となく、そんな印象がある。2015年も7月に入り、早くも夏休みの計画で、海外への短期英語留学を考えている人もいるかもしれない。
今回紹介するのは、社会人になって、英会話ができずに「悔しい思いをした」「最速で英会話をマスターしたい!」というお悩みだ。果たして、そんな方法はあるのか?
「英会話教室に通うのはイヤ」
質問サイト、Yahoo! 知恵袋には、こんな投稿があった。「英会話、最速攻略方を教えて下さい!」(2015年2月16日)。投稿者は現在、「高校卒業程度の英語力で社会人になり、英語から遠ざかり、また勉強し直し中」という。海外旅行でもしたのか、「英語圏内に1週間滞在すれば、かなり(英会話が)上達すると身をもって感じました。さらに英語が話せるようになりたいと本気で思いました」という。「(海外では)自国言語と英語を話せる人も多く、『義務教育で6年間英語を学習した』と言ったら、6年勉強してぜんぜん話せないのでビックリされた」そうだ。タイの若者にも、「『日本人は教育水準が高いのに、英語が下手で誰も話せない』と言われました」と、悔しさもにじませる。
投稿者によると、「タイの20歳過ぎの若者は、皆英語を話せていました。しかも『1年位で話せるよ』と言ってました。悔しいので、英語話せるようになりたいです」。色々な教材や、スピードランニングなどもあるが、「社会人でも自宅でできる勉強方法を教えて下さい。英会話教室に通うは無しで」と、教えを乞うた。
質問には、さまざまな回答が寄せられている。ある人は、「最短60日で日常的な英会話をマスターする方法があります」という。その方法とは、「最もよく使われる英文60パターンを完全記憶すること」。「実は調査によって、日常英会話は、60パターンの英文で、ほぼ問題なく会話できることが分かっています。その60パターンの英文を完全記憶すると、頭に英語がパッと浮かぶようになります。(略)なので、質問者さんの言うようにタイで1年くらいである程度の英語がしゃべれるようになるのは、不思議なことではないと思います」。なるほど、「話す」だけなら、よく使う60パターンを丸暗記すればいい、というわけか・・・。
「6年間、義務教育で英語を勉強してきたなら、すでに話せるはず」
一方、投稿者が「英語圏内に1週間滞在し、かなり英会話が上達した」と言っているのを、「それはちょっと疑わしいですね」と指摘する人も。「おそらく『度胸がついた』ということをそう錯覚しているのだと思います」。その回答者は言う。「6年間の義務教育で、まじめに英語を勉強してきたのであれば、それで、すでにしゃべれるはず。高校程度の英語の知識があるのなら、会話はそれを利用した英作文ですから、頭で日本語を英語になおし、口にして出すだけ。(略)すなわち、朝から晩寝るときまで、自分の話す日本語を英語にしてしゃべるという努力をするだけです」。
さらに投稿者が、タイの若者たちが皆、英語を「『1年位で話せるよ』と言ってました」と主張するのに対し、異を唱える人もいる。「日本語は他の言語とは独立している言語です。(略)中国人が、英語の修得が早いのは、英語と似たシステムだからなんです。これはタイ人も同じ事が言えます」。だからこそ、「仕方ないです。練習あるのみです」。
練習あるのみ――確かにそうかもしれない。しかし、実行するのは簡単ではなさそうで、こんな調査結果もある。オンライン英会話サービスを提供するDMM.com(本社・東京)が、20歳~49歳のビジネスパーソン885人に対し、「英語学習の必要性を感じるか」と聞いたところ、「とても必要と感じる」(24%)、「やや必要性を感じる」(37.1%)を合わせて、61.1%が、英語学習の必要性を感じていた(『ビジネスパーソンの英語・英会話学習に関する実態調査』2014年12月3日公表)。一方で、「現在、英語学習をしているか」と聞いたところ、「特になにもしていない」が72.3%と多数派だった。(KH)