ギリシャは対岸の火事か 考えておきたい「自分の身を守る」方法

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住めるところを増やす、働けるところを増やす、お金を預けられるところを増やす

   ただ、これは、この事態にいち早く気付くことができ、それを回避するための知識があり、実行するだけの行動力と、元となる資産がある人だけです。

   その日暮らしの賃金で生活している人や、年金だけを当てにして生活している人は、こんなことをしている余裕がありません。ヤバイよヤバイよと思いながらも、明日の賃金が上がることを夢見てデモに参加し、それが自分のクビを絞めることに。とても悲しい事態です。

   私が思うに、我々がギリシャのこの事態から学ばなくてはならないことは、

   ・国家は破綻し、銀行は預金を封鎖し、資産が個人の自由にならなくなる可能性があること

   ・国から支給される年金や、会社から支給される給料は、容易に減額されたり、場合によっては消えてなくなったりする可能性もあること

   ・これらの事態を回避するためには、知識と行動力と資産が必要であること

ではないでしょうか。

   自身が選挙や住民投票に投票し、政治に参加することは大切なことです。時にはデモに参加するのもよいでしょう。

   しかし、自分1人の力で抗えない事態も多々あり、世の中は自分の考えなんてお構いなしに流れていきます。その流れの中で、自分で舵を取って生きていく術を学ぶことは、政治について考えることと同じくらい大切です。

   住めるところを増やす、働けるところを増やす、お金を預けられるところを増やす、そうやって人生の選択肢を増やしていくことで、危機を回避することが容易になります。

   日本がすぐにギリシャのようになるとは考えにくいです。

   しかし、「なにか」が起こったときに、自分で自分の身を守る方法をしっかりと考え、準備をしておくことは大切です。

   準備をしないで、国が危機に陥ったらどうなるか。自分がギリシャ国民の1人だったと想定して、今、そしてこれから起こるであろうギリシャ悲劇の顛末をしっかりみておくことは、これからこの世界で生きて行くにあたって非常に重要なことになるはずです。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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