「オワハラ増えた」は幻影? 学生の「過剰反応」も

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経験・パワー不足の採用担当者の焦り

   もう一方の「経験・パワー不足の採用担当者の焦り」、これはオワハラそのもの。大手・中小問わず、採用担当の部署が花形部署である企業もあれば、出世ルートから外れた傍流部署、という企業もあります。それから、総務・管理部門が片手間にやっている企業も。

   2・3番目の企業で、採用者数が10人以上と多い場合、役員や上司から内定者確保を厳命されるでしょう。ここで、採用経験が浅い担当者だと、その厳命を受け流せず、オワハラに走るわけです。

   大手・中小問わず、経験豊かな採用担当者だと、内定承諾を迷う学生は役員や大学OBに引き合わせて本人をその気にする、あるいは、むしろ内定辞退させるようにして早めに補充採用に転じるなど、様々な手を使います。

   オワハラに走るような企業は、あまり賢いとは言えません。同じように、内定承諾の是非で過剰反応してしまう学生もあまり賢いとは言えません。人対人のことですし、よく話し合って決めていただきたいと思います。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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