オワハラの主体は中小?
産経新聞サイトの産経ウエスト記事「就活オワれハラスメント? 企業から内定学生に『大学の推薦状』要求相次ぐ」(15年5月27日公開)では、就職情報会社・学情のコメントから、オワハラがあるのは中小企業中心としています。
この産経記事に限らず、中小企業が悪い、との論調、他でもありましたが、さてどうでしょうか。内定承諾書を求める話は大手・中小問わずよくあります。
2015年卒以前の採用では、大手企業の内定出しがひと段落してから、中小企業の選考・内定出しが進んでいました。つまり、時期のすみ分けができていたのです。
ところが、2016年卒採用ではどうでしょうか。中小企業が時期をずらしてすみ分けを図ろうとすると、4年生9月から10月にかけての選考・内定出しで、遅すぎます。
そこで、中小企業は3年生3月から4年生7月ごろでの選考・内定出しで進めることにしました。もちろん、内定辞退者が出ることを覚悟のうえです。なお、この方針は大手企業も同様です。
かなりの内定辞退者が出ることは覚悟の上。しかも、無理に引き留めたところで、逆効果であることは当の採用担当者が一番よく分かっています。
つまり、「オワハラ=中小企業が中心」との記事は現状を反映したものではありません。