今回のテーマは「オワハラ」です。「内定や内々定が決まった学生に、就職活動を終わりにするよう『過剰』に働きかけること」がオワハラですが、さて実態はどうでしょうか。
内定を出すかどうかはどの企業もいつも悩みます。そして、内定を貰った学生もどの社を選ぶか、悩みます。
古くは「コーヒーぶっかけ」も
内定をめぐるトラブルは就活史でも相当前からあり、1921年(大正10年)には、住友本社(現・住友商事)が重役参加の懇親会で内定者答礼挨拶をした学生に辞退される、という騒動も。
その学生は興業銀行(現・みずほ銀行)に入行、のちの東京都民銀行頭取となります。
「食い逃げ第一号」(『日本就職史』)を輩出した金融業界、この30年ほど、内定辞退をめぐるトラブルの多い業界です。
内定辞退の報告に来た学生に「洗濯代だ」と1万円をテーブルに置いてから、コーヒーをぶっかけた「コーヒーぶっかけ」事件を起こしたのは某証券会社と言われています。
今ならどう考えても暴行罪で訴えられるところ。ここまでひどくなくても、私が就活関連の取材をはじめた2004年ごろからの取材ノートをひっくり返すと、色々と出てきました。
「銀行を内定辞退したら、呼び出され1時間近く説教された。あきらめた後、『今後はうちの銀行に預金してよね』と言われたが絶対に預金しない」
「その場で他社の内定先を断らないと内定は出さないと言われた」