「子供が小1に」ワーキングマザーを襲う 職場の新たなプレッシャーとは

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放課後児童クラブの「待機児童」は1万人

   今(2015)年4月に始まった「子ども・子育て支援新制度」の政府資料によると、日本には現在、放課後児童クラブが2万2000か所あり、登録児童数は93万6452人もいます。それでも、待機児童数は、約1万人(9945人)。待機児童の数は、ここ数年、じりじりと増えています。昨(2014)年7月に政府が策定した「放課後子ども総合プラン」では、2019度末までに、放課後児童クラブについて、「約30万人分」の受け皿を用意すると書かれていますが、うち、15年度に、まず「約16.9万人」の受け入れを行うとのこと。政府も「小1の壁」について、まったく対策を考えていないわけではないようです。

   ただ、営業職のワーキングマザー、Iさんいわく、

「受け入れ人数を増やすのも歓迎だけど、延長預かりをして欲しい。支援員さんを増やして、シフト制で遅くまで預かって欲しいのよ。政府は、そこまで考えているの?」

   現在、保育士資格をもちながら、保育士として働いていない「潜在保育士」は、全国に約68万人いるといわれています。彼女たちに「学童」で働いてもらうことは、可能でしょう。「子ども・子育て支援新制度」では、学童で働く「放課後児童支援員等」の処遇改善等、「放課後児童支援員等の処遇改善経費の補助」にも取り組むと書いてあります。どのくらい実現するのかは未知数ですが、きちんとした待遇が得られるのであれば、学童での仕事には「やりがい」があると思います。

   早急に「学童」の支援員を増やすなら、将来、保育士や教員を目指す学生らを、ボランティアの研修員として受け入れるのも、ありかもしれません。Iさんだけでなく、放課後児童クラブの存在で救われるワーキングマザー、ファーザーは沢山いるはずなのですから。(北条かや)

北条かや(ほうじょう・かや)

1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。著書に『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』。ウェブ媒体等にコラム、ニュース記事を多数、執筆。TOKYO MX「モーニングCROSS」、NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」(2015年1月放送)などへ出演。
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