考えるのは上司の仕事?
先ほどの例で言うと、
(1)自分の意見がないA君の場合は、記事のコピペ。事実やデータだけ持ってきて、その解釈や提言がまるでない。そしてそれで仕事をしたつもりでいて、考えるのは上司の仕事と思っている人です。
(2)やたら正義感のあるBさんの場合は、なにか最初に結論があって、つまり何か通したい提言があるのですが、その根拠や理由などがほとんどなくて、たんなる自分の正義感や、自分の正しいと思っていること自体が根拠になってしまっている。提言の内容が検証できないという困ったパターンです。これは天然なので、反論しても禅問答のようなやりとりに陥りがちです。
(3)は、客観的な事実と、自分の意見が区別できないC男です。こういうひとはデータと意見が違うという概念が確立してないことが多いようです。というか、自分の意見があまりないために、世間のブログ記事や友達の噂などをもとに、それが事実だと思っているパターン。これも天然な場合が多いです。
じゃあ、どうすれば良いかというと難しいのですが、もうこれは、3つのレイヤーがあって、なにが欠けているのかをちゃんと認識してもらうほかない。
そのためには、雲雨傘の例えはわかりやすいので理解は進むはず。自分の言ってることがちゃんと雲雨傘3つ揃っているかをチェックするというのが大事です。
今回も拙書『コンサル一年目が学ぶこと』の「雲雨傘」という章から事例を取り上げて書きました。若手の皆さんが学ぶべき定番スキル30について、エピソード付きで紹介しています。心当たりがあるかたは、一度読んでみてください。学びがあるはずです。(大石哲之)