大学を評価する上で、今や偏差値や研究の内容以上に重視されるのが「社会に出てからの強さ」かもしれない。受験生だけでなく、企業からの大学の印象も大きく注目されていて、「就職に有利か否か」で志望校を決める高校生も少なくないようだ。
このほど、そんな「企業が見た大学のイメージ」ランキングが公表された。なかでも、著名名門大を押しのけ、2位につけた筑波大学の関係者から、喜びの声が相次いでいる。
筑波大生の「行動力」に高評価
日本経済新聞社と就職・転職支援の日経HRは2015年3月から4月にかけ、上場企業の人事担当者に「採用した学生からみた出身大学のイメージ調査」を実施した。
全上場企業3577社に、13年4月から15年3月の2年間で新卒として採用実績のある大学の多い順10校の「学生のイメージ」と「大学の取り組み」について評価してもらい(有効回答数655社)、「行動力」「対人力」「知力・学力」「独創性」の4つの側面からランキングを算出した。
1位は「独創性」で強さを見せた京都大学、3位には「知力・学力」で差を見せつけた東京大学がランクインしたのだが、トップ3のもう一校は、「行動力」「知力・学力」「独創性」で認められた筑波大学だった。特に「主体性がある」などを基準にした「行動力」への評価が高かったという(調査の詳細は15年6月22日発売の日経HR『価値ある大学2016年版』に掲載)。
「旧帝大より筑波が上なんて・・・!」
2位にランクインした筑波大は、学問や研究に熱心というイメージが強いが、東大以上の高評価には驚いた人も多かった。筑波大の関係者からみても意外だったようで、ツイッターでは
「おぉ!わが母校が2位!!」
「2位は筑波。これは嬉しい。独創性と主体性があるんだって」
「2位キタワァ こういうの地味に嬉しい へっへっへ」
など、大喜びの声が多くみられる。
筑波大生専門のアパート情報サイト「つくいえ」でもこの調査結果が紹介されており、「偏差値では及ばない旧帝大よりも、筑波大学が上の順位につけています。驚きですね・・・!」とやはり予想外だったよう。もっとも、筑波大を旧7帝大に準じる大学として扱うこともある。
また、「行動力」への高い評価は、「田舎の緑豊かな土地にあり、学生もどこかのびのびと好きなことをやっている」「起業を促進する動きも盛ん」「一人暮らしの学生が多い」ことが要因では、とみている。
筑波大生は「偏差値的に微妙」「周りは田舎」「都会の大学のような洗練された雰囲気」もない、という面で「『筑波大』に対してそれほど自信を持っていない」「周りの大学にどこか引け目を感じている部分がある」というが、結果を受けて「もっと『筑波大』に対して誇りを持っても良いのではないでしょうか」と呼びかけている。(MM)