現在、中国の大学卒業者の就職難が起こっています。
2015年は、4年制大学卒業予定者が史上最高の749万人に達し、約2割の150万人が就職できないと予測されている、といった報道も出ています(NEWSポストセブン、2015年3月25日)。
中国国内の成長鈍化に加え、海外有名大学に留学した超高学歴の学生も多く、少ない枠を高スペックの学生が争う事態になっており、大変厳しい事態になっているようです。
海外からの観光客相手の仕事を担う人材
中国というと、食べ物や製品の偽装や手抜きなど、悪いイメージが全世界的についていますが、中国人全員に問題があるわけではありません。
先日、話を伺った日本企業の社長は、
「日本の地方の会社で新卒として、日本人と中国人を雇ったのだが、2年後、営業成績No1をとったのは中国人の社員だった。彼の日本語はネイティブと比べたら完璧ではないが、それを上回るだけの信頼をお客様から得ていた。彼のサービスレベルは、他の社員と比べても頭ひとつ抜けている」
と、手放しで褒めていました。
膨大な数の人口がいるがゆえに、優秀な人もそうでないひとも膨大な数いるわけで、その前者が社長の会社にやってきたということでしょう。
さて、これが他人事かというとそういうわけでもありません。
以前もお伝えしたとおり、日本の内需の大きな役割を担うのが、海外からやってきた観光客の皆さんです。そのような人たちを歓待する役目を担う人材は重宝されることが予想されるわけですが、それが日本人である必要もありません。
優秀な外国人とも仕事を奪い合う
先の中国人社員は、日本人に対する顧客サービスだけでも、数十人の日本人を押さえてNo1になっているわけで、日本語アンネイティブというハンデを背負わず、中国語ネイティブというスキルをいかせる外国人(特に中国人)観光客相手であれば、より一層力を発揮することが予想されます。
確かに、外国人の労働者を「日本的サービス」の物差しで測ると、平均値はかなり低くなります。しかし、その平均値から外れた優秀な人材はたくさんいます。そして、その様な人たちが人材難で海外に活路を見出してきたら、我々日本人もうかうかしていられなくなるのです。
私自身も、日本でも海外でも、優秀な外国人ともそうでない外国人とも仕事をしてきました。彼らと仕事を奪い合うとなると、なかなか難しい時代になったなあ・・・と思ってしまいます。(森山たつを)
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