就職活動の新たなスケジュールが2016年春に卒業する大学生から「後ろ倒し」されたことで、「学生の就活期間が長くなった」と考える大学が58.5%にのぼることがわかった。文部科学省が「大学・短期大学における学生の就職・採用活動時期の変更(後ろ倒し)に関するアンケート調査」の結果を2015年6月25日、発表した。「就活期間が短くなった」と答えた大学は17.1%にとどまった。「あまり変化はない」は20.7%だった。
一方、学事日程への影響については、「後ろ倒し」によって前年度よりも「支障が増えそう」と答えた大学が24.4%、「支障が生じそうである」との回答も25.6%あった。半数が、支障があるとみている。
理由「卒論・修論への影響」は75%超
「支障が生じそうである」理由は、「授業への出席状況」75.5%、「卒論・修論への影響」75.5%を占める。
学生が勉強に専念できるよう、日程がこれまでより3~4か月繰り下げられたが、大学側は学生の負担がかえって増していると感じているようだ。
日本経済団体連合会が定めた新しいスケジュールでは、企業が説明会などをはじめる時期が大学3年生の12月から3月に、面接などの選考開始が4年生の4月から8月に繰り下げられた。だが、経団連に非加盟のIT企業や外資系企業、中小企業はもっと早くから採用を進めるところが多い。
また、中小企業などで内定をもらっていても第1志望や、よりよい就職先を目指して就活を継続する学生も増えているとされる。
なお、2016年春の卒業予定者は、就活スケジュールが後ろ倒しされて初めての学生にあたる。調査は文科省が5月に、現在就活中の学生の現状を把握することを目的に実施。全国の国公私立の大学・短大から抽出した82校を対象とした。
文科省は「引き続き、検証したい」としている。