りそな銀行や埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行を傘下にもつ、りそなホールディングス（HD）が2015年10月から、残業を原則しない新しい正社員制度を導入する。育児や介護といった個人の事情に応じた柔軟な働き方を可能にすることで、優秀な人材の確保につなげる。りそなHDは6月23日、同様の人事制度は大手銀行では初めてと取材に対して説明した。
新たに導入するのは、「スマート社員」制度。時間外勤務のない正社員と業務範囲を限定した正社員の、2つのコースを用意した。
時間外勤務をしない正社員は、業務範囲は限定せず、管理職への昇進も可能。正社員と同じ等級制度や人事制度を用いるため、基本給も区別しない。育児や介護のための時短勤務の取得条件も普通の正社員より緩和する。
ただし、賞与（業績インセンティブ）は通常の正社員の7割程度とする。
業務範囲を限定した正社員は、自分にあった業務を長く続けたい行員のための仕組み。支店間の異動はあるが、原則として事務職から営業職といった業務範囲の変更を伴う部署間の異動はない。
りそなHDは「たとえば時短勤務は既存の制度もあるので、自分にあった制度を選んで働いてほしいし、スマート社員制度もその選択肢の一つに考えてほしい」と話している。
10月1日から希望者を募り、16年4月1日に順次移行していく。
残業なし