昨日(2015年6月21日)の「父の日」を前に、こんな動画があらためて注目を集めた。香港の保険会社メットライフが配信した動画で、「子供の未来には、どんな苦労も値する」というメッセージが込められている。YouTubeで公開されたのは1月末で、これまでに1000万回超、再生された。
動画は、小学生らしき娘が、男手ひとつで子どもを育てる父親に宛てた手紙を読み上げるシーンで始まる。「私のお父さんは、私が世界で1番大好きなひと。世界で1番ハンサムなの」。この手紙は、娘が父親に感謝の気持ちを伝えるために書いたものなのだ。
「でもお父さんが大好き・・・」
この父親は、娘が幸せに育つために自分にできることを一生懸命考え、毎日行動しているようだ。手紙によれば、娘をきれいなレストランに連れて行き、元気いっぱいに一緒に遊び、勉強をみてあげる。父がいつもしてくれていることを娘は手紙の中で数えあげながら、父親が自分のヒーローだとして綴っている。
しかし、手紙の内容を聞いていた父親の表情が突如、一変する。その続きには、娘が、父親の懸命な行動の裏にある「嘘」を知っていたことが明かされていたからだ。今度は、父親がついている嘘を娘は数え始める。
お金がたくさんある振りをしながら、いつも財布の中身を気にしていること、定職がある振りをしながらハローワークに通い、便所掃除のようなキツいアルバイトで食いつないでいること、お腹が空いていない振りをして美味しいものは全部娘に食べさせようとしていること、本当は疲れていること。
自分が無理をしていることがバレていたと分かった父親は、「でもお父さんが大好き・・・」と手紙を締めくくる娘の前で泣き崩れてしまう。娘にすべてをかけてきたことが報われた、と感じたのだろうか。
「父の日」には特に何もしなかったという娘さんや息子さんは、この動画を見ると、1日遅れの「父の日」を祝おうかな、という気分になる・・・かもしれない。(文:赤江龍介、編集協力:岡徳之)