就活的に「僕の夢」は何がいいですか? 痛い学生の思考法と行動様式

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有意義と思っていても、大したことなかった?

   こうした学生のどこがまずいのか。

   それをうまく説明している本が、『若手社員が育たない 「ゆとり世代」以降の人材育成論』(豊田義博、ちくま新書)です。

   以下、該当部分を引用します。

「『有意義な経験をしていると思い込んでいる』という傾向だ。本人達のインタビューでの発言を額面どおりに受け止めれば、もっと多くの学習をしていることになるが、子細に聞き込んでいくと、それは本人の思い込みに過ぎないということが多々ある」
「新たな環境に身を投じ、新たな人たちとの出会いを果たすのだが、実はその人たちは自分と似た人たち、同質的な集団だった。(中略)自身の存在意義を確立し、イベントのプロデュースで有能感を感じるが、それは先人の功績によってパッケージ化されたものであり、また、社会的意義が高いものであるからこそ、挫折や敗北とは無縁の世界になる。人工的に作られたテーマパークのような空間での経験が、現実への適応を阻害してしまうのだ」
石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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