有意義と思っていても、大したことなかった?
こうした学生のどこがまずいのか。
それをうまく説明している本が、『若手社員が育たない 「ゆとり世代」以降の人材育成論』(豊田義博、ちくま新書)です。
以下、該当部分を引用します。
「『有意義な経験をしていると思い込んでいる』という傾向だ。本人達のインタビューでの発言を額面どおりに受け止めれば、もっと多くの学習をしていることになるが、子細に聞き込んでいくと、それは本人の思い込みに過ぎないということが多々ある」
「新たな環境に身を投じ、新たな人たちとの出会いを果たすのだが、実はその人たちは自分と似た人たち、同質的な集団だった。(中略)自身の存在意義を確立し、イベントのプロデュースで有能感を感じるが、それは先人の功績によってパッケージ化されたものであり、また、社会的意義が高いものであるからこそ、挫折や敗北とは無縁の世界になる。人工的に作られたテーマパークのような空間での経験が、現実への適応を阻害してしまうのだ」