今(2015)年の就活の面接解禁は「4年生の8月1日」だが、実態としては、すでに複数企業から内々定を得ている学生も少なくない(5月1日現在で16.4%=アイデム 人と仕事研究所調べ)。
人手不足との指摘も相次ぎ、人材確保の競争は熱を帯び始めている。今年は、企業が内々定を出した学生に「就活を終えなさい」と暗にせまる「終われハラスメント(オワハラ)」が社会問題化しており、学生にとって「内定後の(別企業への)就活」は頭の痛い問題のようだ。もっとも、就活生はこれまでも同じ悩みを抱えてきた。
(内定を)伝えるべきか、隠すべきか
質問サイトOKWaveには、「内定をいただいたのですが、明日他の企業の面接です」という投稿があった。投稿者いわく、「今日、ある企業から内定をいただきました」。「その企業へ行こうと考えているのですが、まさか、受かるとは思っていなかったので、明日の午前中他の企業の面接があります。その際、『内定はもらったか』『それでもこちらの会社に来るか』などの質問をされると思います。聞かれた場合、『昨日、内定をいただいたので迷っています』と答えてよろしいのでしょうか」。本命企業から内定を得ていることを伝えるべきか、隠すべきか、迷っている様子だ。
上記の投稿者によると、次に受ける企業は、「私の学校を多く採用してくださる企業なので、あまり失礼したくないと思っています(こんなことを考える時点で失礼ですが)」という。本来なら、「内定の連絡をいただいた際に、すぐに他社へ、面接辞退の連絡をすれば良かった」と後悔する投稿者だが、「その時はまだ迷っており、親とも話をして、夜になってからやっと考えがまとまった」とのこと。
もし、『本命』でない企業から、「『他企業から内定はもらったか』『それでもこちらの会社に来るか』などの質問をされた場合、『内定をいただいている企業があり、迷っています』と答えていいのか」と、あれこれ悩んでいる。投稿があったのは2012年7月19日。「オワハラ」が問題化する以前から、就活生はこうした悩みを抱えていたことが分かる。今年も同種の悩みを抱える学生が多そうななか、こうした質問へは、一体、どう答えるのがベストなのか?
「天秤にかけるのは、当たり前」
回答者からは、「その答え方でいいと思いますよ」とのアドバイスが、寄せられた。いわく、学生が、企業と企業を「天秤にかけるのは、当たり前ですから、別に失礼でもありません。内定おめでとうございます」。
なんとも、あたたかいアドバイスだ。企業も、学生も、それぞれが相手を「天秤にかけて」選び合っている。時には、『腹の探り合い』もあるだろう。そんな中、下手に嘘をついてその場をつくろうよりも、「昨日、内定をいただいた企業があり、正直迷っている」と、正直に申し出た方が、企業側も対応しやすく、後々うまくいくことも、あるかもしれない。こうした対応がオワハラ防止対策になる・・・かどうかは定かではない。(KH)