「娘に就いて欲しくない」仕事はコレだ 2歳児の親が語った職種と理由とは

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   先日、2歳の娘をもつ知人男性(Bさん)と話していたところ、「娘が将来就く仕事」の話題になりました。Bさんいわく、「将来、娘にはお医者さんになってほしい」。

   ところが、もう少し深く聞いてみると、「ぜひとも医師に」という熱意はそれほどでもありません。むしろ、「この仕事やあの仕事は、正直やめてほしい・・・」という思いの方が強いようで、「医師」は消去法の結果という印象です。そのあたりの真意を聞いてみました。

女の子に「就かせたい職業」、資格系がトップを独占

将来は何になりたいの?
将来は何になりたいの?

   まずは、化学メーカーのクラレ(本社・東京)が実施している「小学1年生の『将来就きたい職業』、親の『就かせたい職業』」調査結果を見てみましょう(2015年4月2日公表)。調査対象は、2015年に小学校に入学する子供(男女各2000人ずつ)と、その保護者(4000人)。「新1年生の男の子がなりたい職業」の1位は、「スポーツ選手」、2位「警察官」、3位「運転士・運転手」でした。一方、女の子の1位は「ケーキ屋・パン屋」、2位は「芸能人・歌手・モデル」、3位が「花屋」。自分の幼少期を思い出しても、何となく理解できる調査結果です。

   では、保護者はどうか。「男の子の親」に聞いた、将来子供に「就かせたい職業」の1位は「公務員」、2位は「スポーツ選手」、3位は「医師」でした。「女の子の親」の1位は、「看護師」、2位「薬剤師」、3位「公務員」と、医療系の仕事に関心が集まっているようです。男の子のランキングでは、2位に「スポーツ選手」が入っていますが、女の子の場合は、より具体的な「医療系・資格系」に、人気が集中していますね。

   Bさんも、「娘が『医者になりたい』と言ったら全力で応援する」と言っていました。女の子の場合は「資格」をもっていれば安心、との思いもあるようです。が、お医者さんになるのは、そう簡単ではありません。筆者がそれを指摘したところ、Bさんはこう続けました。

「娘を将来、医者に・・・っていうのは、漠然とした『夢』みたいなものだよ。ただ、民間企業だと、女性はまだまだ働き続けるのが難しいみたいだし、公務員とか教員になった同級生に聞いても、『激務の割にお給料がそれほど良くない』って言うしさ。そういう現状を見てると、娘に将来『就いてほしくない仕事』ばっかり考えてしまうんだよね・・・」

「美容師とMR(製薬会社の営業)はキツイぞ」

   2歳の女の子を育てるBさんは、続けます。

「基本的にはどんな仕事でも、娘が『なりたい』と言ったら応援したいよ。でも、アドバイスするなら、『美容師とMR(製薬会社の営業)はキツイぞ』って言うと思うね」

   聞けば、Bさんの周りの美容師たちは、「親の理髪店の跡継ぎ」でもない限り、将来の独立を目指しながらも、激務に耐えかねて離職するケースが多いそうです。あとは「MR」ですが、こちらは、「大学の同級生で、MRになった女子が結構いるんだけど、数年間で燃え尽きて、やめる子が多いから」とのこと。

   「しかもMRって、転勤も多いし、医師や上司からセクハラされた話なんかを聞くと、自分の娘には、ちょっと勧められない気がする」(Bさん)。彼の先入観もありそうですが、とりあえず、美容師と製薬会社の営業は、できればオススメしたくないそうです。ちなみに、クラレ調査で「女の子がなりたい職業」の2位だった「芸能人・歌手・モデル」は? と、聞いてみると・・・

   「まあ、最近のアイドル人気で『自分もなりたい』って子が増えてるんだろうね。自分の娘も目指したいなら応援するけど、すべて自己責任で、『◯歳まで』ってタイムリミットを決めてやりなさい、って助言するだろうね」(Bさん)とのことでした。(北条かや)

北条かや(ほうじょう・かや)

1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。著書に『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』。ウェブ媒体等にコラム、ニュース記事を多数、執筆。TOKYO MX「モーニングCROSS」、NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」(2015年1月放送)などへ出演。
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