明治時代の学歴フィルターをふき飛ばした男 歴史から学ぶ「闘う」方法

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社会が悪いと嘆いて終わり?

   ゆうちょ銀行の件でツイートした学生は、就活へのモチベーションをなくした、と嘆いて、以降、アカウントは削除されてしまいました。

   その後、ネットでは、冷めた意見や現状でできることを紹介した論者に対して、

「学生の苦しみがわかっていない」
「制度こそ変えるべき」

などの批判も出ています。

   私が当連載で学歴ネタをご紹介した時も同様のご批判をいただきました。

   その前、2010年から2012年ごろには、就活デモが盛り上がっていました。

   私は、彼らの主張に賛同できず、批判したところ、それはそれは関係者から強い反発を受けました。

   現在の就活に制度として良くない部分が多々あることは確かです。批判の声を上げていくのもいいでしょう。

   ただし、それが学生にとっての最適解なのか、私は疑問だと申し上げているのです。

   制度を仮にすぐ変えることができたとしても、その恩恵にあずかれるのは、数年後の学生です。実際には、5年後、10年後かもしれませんし、ずっと来ないかもしれません。

   しかも、Twitterで暴露したりデモ活動をすることで、企業からは、危ない学生と敬遠されるだけです。

   まして、嘆いて就活をやめたところで、誰も相手にすることなどありません。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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