昨今、時短やワークライフバランス、多様な働き方・・・と掲げられるお題目は華々しいが、現実には長時間労働を容認する企業が多数を占める――そんな実情を示す調査結果が出た。
結果内容が報じられると、ネット上では、法規制の必要性を訴える指摘が出る一方、残業が多いのは働き手側の効率の悪さが原因だ、といった疑問の声も並んだ。
「過労死ライン」以上の残業時間
東京新聞が報じた長時間労働の実態調査(2015年6月1日付朝刊)によると、いわゆる過労死ラインと言われる月80時間以上の残業を認めている企業は99社中72社で、全体の72.7%を占めた。また、残業時間を月100時間以上認めている企業は38社。いずれも前回調査(2012年)と比べ、ほぼ横ばいだった。依然、改善が進んでいない実態が浮き彫りになった形だ。
調査は、2011年決算期・東証一部売上上位100社対象、現在は合併で99社。14年11月に各本社所在地の労働局へ「時間外労働・休日労働に関する協定届」を情報公開請求した。
この調査結果に対し、ツイッターでは諦めともつかない呟きが続出している。
「東証一部の上位100社でこれなら、中小の状況はもっとひどかろう」
「定時に帰れるのが基本で、一部激務の企業があるというならわかる。でも、実態は逆で、サビ残が大多数、定時帰りは極少数。こんなの『多様』という耳触りのいい言葉で表現していいことじゃない」
中には、「『特定の社員の長時間残業が常態化している』という課題に対する解決策が『ノー残業デーの残業禁止』という・・・」といった、もはや禅問答か!とツッコミたくなる話も。こうした現状を改善するには、
「会社に尽くしちゃう日本人。一律規制しないと長時間労働はなくならないと思う」
と厳格な法規制を望む声も多く見られた。