今(2015)年の就職活動は、経団連の指針変更で、「面接」の解禁が「4年生の8月1日」からだ。真夏の就活が当たり前になり、百貨店やアパレル業界は、「クールビズでの就活スタイル」に力を入れている、との新聞報道もある。
一方で、就活生たちからは、「どこまでがクールビズとして許されるのか」迷いの声も多い。
クールビズを快く思わない人も?
朝日新聞デジタルの記事、「夏の就活、クールビズ温度差 業界後押し、ためらう学生」(2015年6月4日)によると、就職活動のピークが「春」から「夏」になったことを、『商機』と捉える百貨店や、アパレル業界が目立つという。たとえば、紳士服大手のAOKI(本社・神奈川)は、就活生向けとして、女子用に「七分袖のブラウス」、男子用に「半袖のワイシャツ」を、今年から全国の店舗で用意。裏地の薄い、夏用のリクルートスーツも品揃えを増やし、男子用は昨年の3.5倍、女子用は3倍にしたという。
一方、就活生たちには「戸惑い」もあるようだ。記事では、就活生の声として、「採用担当者の中には、クールビズを快く思わない人もいると思う。服装で減点されるわけにはいかないので、暑くても我慢したい」というコメントを、紹介している。
質問サイト、ヤフー知恵袋には、「就活中で、座談会を控えている」学生からの、こんな投稿も。「座談会の説明欄に、『クールビズを実施しているので、上着・ネクタイは着用不可になっています。軽装でお越しください』とありました。そこで気になったのですが、長袖のワイシャツを着て腕をまくるのは、問題ないでしょうか?」(2015年5月14日)。投稿者によると、長袖のシャツの腕をまくるのは、「普通だったら問題ないと思います」。ただ、就活の場合は「イメージ的に、どうなのかなと思って」迷っているようだ。
「座談会ならOKでは」
迷える就活生には、先輩たちからアドバイスが寄せられた。「そもそも、ワイシャツは相手に肌を見せない(見えると失礼)ための肌着ですから、長袖が基本です」と主張する回答者は、「クールビズは、日本の気候に合わせた独自の文化として実施していますが、腕まくりは、さすがに相手に失礼です」と主張。「軽装とのことなので、半袖でも長袖でも問題ないと思いますが、基本は白襟で、薄色かストライプなどのカラーシャツがいいでしょう」という。長袖シャツの「腕まくり」をするくらいなら、半袖シャツの方がいい、との意見だ。
一方、「長袖シャツの腕まくりは問題ない」という意見もある。「袖をまくるのは構わないと思います。もう暑いし、今回は、あらたまった面接ではないようだし」。座談会は「改まった面談ではない」ので、腕まくりスタイルでも失礼には当たらない、との主張だ。なるほど、会社説明会や、座談会、面接などの「場面ごと」に、服装を使い分けるのが「クール」なのかもしれない。(KH)