「スターバックスコーヒーの店員さんには、美男美女が多い」という話は、よく耳にします。ツイッターでは、「スタバの店員さんて、ほんとに美人やな」とか、「スタバの美人店員を眺めるだけで僕はもう満足」、ひいては「スタバって絶対『顔採用』だよね」などのつぶやきも、多く見つかる。
今回は、そんな「スタバ店員女子」にまつわるお話です。スターバックスの店員に「美人」が多いというのは、本当なのか? だとすると、美人はなぜ、スタバの店員になるのか?
何となく「ナチュラル系美人」
作家の山内マリコさんが、地方の若者を描いた連作小説『ここは退屈迎えに来て』(幻冬舎、2012年)には、森繁あかねという女性が出てきます。彼女は10代の頃、地元で1番の美人といわれていました。彼女は偶然、スカウトされ、東京でティーン向けファッション誌の専属モデルとして活躍します。が、年齢を重ねるにつれて仕事が減り、25歳になる前に、ひっそりと田舎へ帰ってきました。これまで、バイト経験など皆無だった森繁あかねですが、田舎では、スターバックスの店員として働くようになる――。
筆者は、そこまで読んで「あ~分かる!」と、膝を打ちました。我が出身の北陸地方でも、中学の頃、学年で1、2位を争うほど可愛かった子たちが、現在、スタバの店員になっている例は、枚挙にいとまがありません。なぜか、地元のスタバ店員は、みんな可愛くて美人。それも、お化粧を頑張って美人にみせているのではなく、何となく「ナチュラル系美人」なのです。同窓会などで、「◯◯ちゃん、今、スタバでバイトしてるらしいよ」という話を聞くたびに、「さもありなん」と思ってしまう。一体なぜ、美人はスタバの店員になるのか。先日、その疑問がついに解けたのです。
5月(2015年)下旬、スターバックスの「日本進出プロジェクト」の総責任者を務めていた、梅本龍夫氏にインタビューさせていただく機会がありました。梅本さんは、スターバックスの日本におけるパートナー企業「ザザビー」(現・サザビーリーグ)で、20年あまり前に「取締役経営企画室長」を務めておられた方です。色々と興味深い「経営・マーケティング」のお話の最後に、どうしても聞きたかったことを尋ねてみました。
「スターバックスの店員さんには、美男美女が多いと言われていますが、何か採用基準があるのでしょうか」。我ながら「無遠慮な質問だなぁ」と呆れますが、「スタバの顔採用」の噂について、ぜひとも聞いてみたかったのです。