経営者が「裸の王様」になるとき こんな姿勢が「イエスマンの山」を築く

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   様々な会社から参加者が集まる管理者研修では、お互いの課題共有とその解決を目的としてグループ討議を実施しています。

   先日実施した研修議論の場で、管理者が管理者としての力を発揮しにくい環境の原因として「ワンマンな経営者の存在」が指摘されていたので、興味深く聞いてみました。具体的には、「自分の意見を言い放って、人の話を聞かない」「すぐに感情的な物言いでの命令になって、部下の立場を無視する」「部下との日常的な会話がなく、何を考えているのか分からない」等々がその中身でした。

「コミュニケーションの3原則」とは

あ、王様だ・・・
あ、王様だ・・・

   言ってみるなら、社長のワンマン・コミュニケーションです。自分が思い立った時にだけ、思い立った事を言うだけのコミュニケーション。確かにこれでは、管理者としては悩ましいことこの上ないことでしょう。このグループでは、管理者サイドからの解決策もそれなりに話し合ってはいましたが、やはり問題解決には社長自身の自覚が不可欠でしょう。

   たまたまこの研修の翌日にお目にかかったワンマン社長のY氏。ちょうどいい機会だったので、このお話をしてみました。すると即座に「僕もそうだって言いたいのかい」と不満げに返してきました。この方どう見ても、人の話を聞かない、感情的な物言い、日常的会話の欠如の上記ワンマン・コミュニケーション3点セットがきれいに揃った状態なのですが、御自身には全く自覚がないようでした。これでは取り付くシマがありません。社長のワンマン・コミュニケーションは、誰にも咎められることがないのでY社長のように自覚がないというのも、やっかいな点であるなとつくづく思わせられるところです。

   私が担当する営業関連や組織活性化関連のほとんどの研修でお話する項目として、「コミュニケーションの3原則」というものがあります。言い換えると、ひとりよがりのコミュニケーションにならないコツ、といったところでしょうか。

(1)コミュニケーションは量が質をつくる
(2)コミュニケーションはSkillよりWill(技より気持ち)
(3)コミュニケーションは話すより聞く

がそれです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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