残業をめぐっては、「残業続きでもうへとへと」、「残業代が出ない」、「残業代込で生活設計している」「残業代目当てでダラダラ仕事して残っている社員が・・・」、などとよく話題になる。
そんな中、今の新入社員には、「残業代はいらないので定時で失礼したい」派が多い傾向がうかがえる。
特に院卒・大卒新入社員が「早く帰りたい」傾向
西日本シティ銀行グループのコンサルティング会社「NCBリサーチ&コンサルティング」(福岡市)が、「2015年度 九州・山口地区の新入社員意識調査アンケート」の結果を発表した(15年5月22日)。
「給料と残業に対するあなたの考え方はどちらですか」という設問で、「給料は少なくても、残業がない方がよい」が50.7%と、「残業は多くても、給料が多い方がよい」の49.3%をわずかながら上回った。「給料は少なくても~」の割合は12年の調査開始以来年々増えていたが、半数を超えたのは初となる。
最終学歴別でみると、専門学校卒、高校卒は「残業は多くても~」の割合が高く(それぞれ56.2%、63.6%)、大学院卒、大学卒、短大卒が「給料は少なくても~」の割合が高い(74.0%、58.8%、51.9%)という結果だった。
調査は15年4月、同社の新入社員公開セミナー及び企業内研修の参加者1528人を対象に実施。1500人から回答を得た。
「残業手当が出ないなら時間をくれってことでしょ」
この結果をまとめた記事が毎日新聞サイトに掲載され(15年5月22日)、ネット上で話題に。ツイッターを見ると、
「そうだよ、別にそんな贅沢な生活なんか望んでない」
「本読んだり音楽聴いたり運動したりネット見たり料理したり寝たりしたいんだよ、若い人達は特に」
「給料8割でいいから週休3日にしてくれ」
といった、調査結果への賛同や納得の声が上がっているのに対し、
「は?薄給だと休日や帰宅後何もすることないんだけど」 「高齢者になったときにカネがあるかないかは、大事なことかも知れませんよ」
など、「やっぱり金が大事」という考えを述べている人も。
「これは、残業手当はいらないから時間をくれ、と言っているのではなく、残業手当などでないのなら時間をくれと言ってるんだろうな」
と、そもそも新入社員はサービス残業を前提にして考えているのでは、という見方もあった。(MM)