全国各地に店を作り続け約1000店舗を抱えるヤマダ電機が、地方や郊外の店を中心に46の店舗を閉店することを2015年5月末に発表しました。
元々、郊外型の家電量販店だったヤマダ電気も2005年頃からLABIというブランド名で新宿や池袋、なんばなどの大都市にも出店するようになりました。これは、単なる業務拡大というより、将来、地方の人口が減少する&高齢化が進むことで、不採算店舗が増えることへの対応策だったのでしょう。
マニアックな質問にも答えられるような深い知識
そして、2015年現在、その不採算店舗を中心に削減へ入りました。
閉店する店舗の社員は近くの店などで継続して雇用するとありますが、今後閉店する店が増えてくるとどうなるかは分かりません。あなたがヤマダ電機の社員で、今後もこの会社で働きたいと思っていたらどのような行動に出ますか?
発表などによると、2015年度は新たに15店を出店する計画で、都市部の大型店に力を入れ、アウトレットや訪日外国人のニーズが高い免税専門店などへの業態転換を進めるそうです。
市場のニーズがそこにあると会社が判断し、その方向に動くことが明確なわけですから、この会社で働くのであれば、自分がそっちで働けるようになることが大切です。
大都市圏の出店店舗に合わせるのであれば、マニアックな質問にも答えられるような深い製品知識などが大切です。しかし、おそらくヤマダ電機の中には、この様な深い商品知識を持った社員はごまんといて、この中で勝ち残っていくのは大変だと思われます。大都市圏で勤務したい人は多いでしょうし。
外国人と働く
日本に来る外国人観光客向けの店舗はどうでしょう?
日本の、特に地方都市で、「外国人と働きたい!」「外国語を使って仕事をしたい!」という人がどれくらいいるか?私はいろいろなところで講演をしたり、その周りの人と話をしたりしますが、明らかに東京とは桁違いに少ないです。だから、チャンスなんです。
不採算で閉じられる地方の店舗で働いている人に、外国人と仕事をしたい人は少ない。でも、会社は外国人と仕事をできる人が欲しい。もし、不採算店舗で働いていた人の何割かを人員削減しなきゃいけなくなったら、だれをカットするでしょうか?日頃「外国人と仕事をしたい!」といって、実際にそのそぶりを見せている人は生き残れると思いませんか?
「外国人と働く」ということで大切なことはまず、語学です。英語や中国語を話せるのは非常に重要ですし、他に学んでいる人が少ないタイ語やベトナム語、インドネシア語などが話せれば、かなり希少人材になれます。
ただ、語学ができるだけが条件ではありません。
外国からきたお客さんは、間違いなく日本在住の日本人とは違うニーズを持っています。ヤマダ電機の多くの社員が持っている「日本人受けする商品の目利き力」ではない、「外国人受けする商品の目利き力」が必要になるのです。
「確実にニーズがある」かつ「他の人がやっていない」
この様な力を身につけるには、本を読んでいるだけではダメで、現場で外国人どんなものを買っているかを観察して、彼らを接客して、どんなものが欲しいかを聞いていく必要があるのです。
地方店舗に勤めていても、たまには外国人が訪れることがあると思います。事前に語学を学んでおいて最低限話しかけられる能力を身につけておけば、その時に積極的に接客ができます。
そして、接客をする中でちょっとずつ知識を貯めると共に、周りの社員に「あいつは外国人と仕事ができる」ということをアピールすることで、チャンスは広がっていきます。
「私は地方在住で、ローカル企業に勤めているから、語学なんて要らないし、外国人と仕事をする必要なんてないです」何て言っていられる時代は終わろうとしています。 とはいえ、全員が外国人と働く必要があるわけでもないので、多くのひとがその分野に足を踏み入れようとしません。
だから「確実にニーズがある」かつ「他の人がやっていない」という美味しい市場になっており、サラリーマンの生存戦略として「外国人と働けるようになる」ということは、非常に有効なのです。(森山たつを)
さて、お知らせです。「外国人のニーズを掴める人材になる」ことに特化した研修プログラム「サムライマーケティングチャレンジ」をつくりました。カンボジアで、マーケット感覚を身につけよう!詳しい内容は、こちら!