「男女雇用機会均等法上の問題」が・・・
さらに「こんな女性だけの仕事をやらされた」という体験談も寄せられている。
「以前働いていた会社は、同じように女性だけする仕事がありました。朝はタオルの洗濯、お湯のセット、台拭きなど。昼はお茶出しと、その後のコップ洗い。あとは、鏡開きの時のぜんざい作りとかもありました。ちなみに、男性職員と同じ職種です。その後転職し、あの会社は普通じゃなかったと分かりました。今考えると、とても男性目線の会社だったと思います。辞めて良かったです」
女性の苛立ちはもっともに思えるが、企業側は「昔からこうやって上手く回ってるから今さら変えるなんて・・・」と思ってしまうかも。しかし、その考えは危険だ。
横浜市の「小澤社会保険労務士・行政書士事務所」のサイトでは、ある会社の労務担当から受けた相談として、こんなケースを紹介している(03年10月3日)。
その会社では女性社員が当番制で、始業の15分前には出勤し、事務所の机の雑巾がけとお茶の準備をしていた。特に何の疑問もなく続いていた慣習だったが、新しく入社した女性社員から「当番で定められた日は必ず始業時刻の15分前に出社し、雑巾がけとお茶汲みを行うことが義務付けられているのであれば、早出出勤に当たるので、その分の手当を支払ってほしい」と言われた。今まで手当を支払ってこなかったのでこんな相談をされて戸惑っている、という。
解説では、「直接人事や労務担当の社員が指示していなくても、このような(雑巾がけやお茶汲みを)容認していた事実は『黙示の業務命令』があったとみなされたり、早出出勤に対する『黙示の承認があった』とみなされる」として、「この場合早出出勤に対する給与の支払い義務は生じると考えて良いでしょう」としている。
さらに女性だけが行っている点については、「男女雇用機会均等法上の問題があると云えます」。
「庶務の仕事をしている者について(男女の区別なくという意味です。)早出出勤による掃除とお茶の準備をさせるというのであれば、その早出出勤による業務に対する給与の支払いさえ行えば問題にはなりません」という改善例を提示している。(MM)