「交渉制の給与」の問題点
ではシリコンバレーの問題はなにか?それは「交渉制の給与」にあります。
つまり、プロスポーツ選手と同じ。ずば抜けた実績の選手でなくても、契約のタイミングがよかったり、フリーエージェントのタイミングで引き止めたりすると、市場評価よりかなり高い年俸で契約できたりする。なぜあの選手が、あの年俸?みたいなのがよくあります。同じような活躍をしている選手とくらべても、高い低いのバラツキが大きい。
なお、東南アジアの新興国の給与も、どちらかというと、この交渉制にちかい。企業は、たまたまその時に人手が足りないとなると、相場より高く人を雇ってなんとか仕事を回してもらわないといけなくなります。
同じような仕事をしている別のひとより、採用タイミングがちがっただけで給与が1.5倍違うとかそういうことになって、全体のモチベーション的にはよろしくないわけです。
一方、さきほどLockstep型は、力関係に関係なく、このポジションならいくらという定価を提示するようなもので。たしかにこちらのほうが公平かつ、見通しがよくなります。
私は、外資系コンサル出身で、Lockstep型には馴染みがあります。とてもフェアな制度である上に、社内のモチベーションを失わない仕組みだと思います。(大石哲之)