大阪市長の橋下徹氏が先日、「大阪府警が全力で守ってくれたので、安心して生活する事はできました」という旨の発言をしていました。2015年5月17日の大阪都構想をめぐる住民投票の結果を受けた会見でのことです。
首相や首長を警察が守る――世界で屈指の安全な国である日本ではピンと来ないかもしれませんが、世界には、政治家が、特に選挙に立候補するときに危険にさらされる国もあります。
立候補届け出の最中に襲撃される
私がフィリピンで聞いた話だと、「知り合いが選挙に出たときは、立候補の届け出からあとはずっと家から一歩も外に出なかったそうです。しかも、家の周りに警備をつけて」とのことでした。
いかに汚職がはびこっていて、危険なフィリピンでもそこまでは・・・実際、選挙中、選挙カーとか走っているし・・・と思い、Webで検索をしてみたところ、こんな記事が。
「Philippines 'poll-related' deaths reach 57(フィリピンで政治的な理由で殺された人が57人になった)」(BBCサイト)
2009年11月の記事ですが、政治家のマングダダツ氏が選挙立候補の届け出を出しに行く最中に襲撃され、彼の妻や、取材をしていたジャーナリスト少なくとも13人が殺されました。
大統領は「襲撃犯を許さない。国としての追悼を行う」と言ってるのですが、マングダダツ氏は「アロヨ大統領に関連のある一派の仕業だ」と言っています。
ふた桁の殺人が平気でおき、被害者がそれを「大統領一派によるものだ」と言ってしまうこの状況。まさに、フィリピンの政治家は命がけであり、誰を信じていいのか全くわかりません。