「就活に有利なバイトがある」は都市伝説か

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アルバイト定着にも一定の効果

   私が取材にお伺いしたのは、4月(2015年)中旬の「ツカラボ合同説明会」開催時。そう、名称通り、ツカラボ参加学生を対象に、合同企業説明会まで実施。約15社が参加していました。

   この説明会の合間に、大久保副社長に相談する学生、内定報告をする学生が多数いました。

   それまで講師として接しているから、というのもあるのでしょうけど、考えてみれば、エー・ピーカンパニーは従業員数が正社員だけで633人(2015年3月末現在)いる、一定規模のある企業です。

   その企業の、副社長と話す機会は一般企業であれば、そうそうありません。そこで得られるものは、単なる就活セミナー以上のものでしょう。

「セミナーは、納得できる就活をしてもらうためのものであり、テクニック一辺倒ではありません。合同説明会は、とある有名企業も参加希望を出していましたが、今回の規模などからお断りしてしまいました。来年以降はもう少し、規模を大きくする予定です」(大久保副社長)

   ツカラボは、塚田農場のアルバイトだけでなく、就活を意識する学生全般が対象ですが、

「ツカラボに参加している学生とそうでない学生のアルバイト定着率の差は1.87倍」(大久保副社長)

と、アルバイト定着にも一定の効果はあるようです。

   同様の取り組みは、規模の違いはありますが、同業他社にも広がりつつあります。

   今後は、飲食・流通問わず、アルバイトの福利厚生の一環で就職支援セミナーが当たり前になる、かもしれません。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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