ベトナムほか途上国で暮らしていて1番むずかしいのが、現地のひとへの指示だというのはみんな痛感していると思います。現地でビジネスをしている場合、如何にして、指示通り現地の人にやってもらうかで苦労されているひとも多いと思います。
その現地のひとのクセというのが、日本人にはちょっと理解しづらい。
典型的な例にぶち当たりましたので、書いてみます。
ボタンの位置が・・・指示と違う
洋服のオーダーメイドをした時の話。ベトナムでは、安くオーダーメイドのものが作れて、重宝しているのですが、よっぽど的確な指示を出さないと、似ても似つかない「とんでも」なものが出来てしまいます。オーダーメイドをするというのは、途上国の人に指示を出す格好の練習台になるのです。
私が困ったのは、ジャケットをつくったときでした。
ジャケットの基本デザインというのは、御存知の通り、いくつかあるのですが、そのなかでも重要なのは、ボタンの数と、位置です。
わたしは、1ボタンのジャケットで、しかしながら、ボタンの位置が高めにあるものが好みです。
ですから「1ボタンで、ボタンの位置は高め。このあたり」と指示しました。ちゃんとボタンの位置も測って記入したのです。
しかし、出来てきたものをみると、普通の1ボタン。ボタンの位置は低いです。
「ボタン位置まで測ったのに、違うじゃないか?」と言っても無駄です。
ボタン位置は、出来てしまったものは仕方ないので、我慢しました。
どうも、テーラーには、ボタンの位置の高い1ボタンというのが理解できないらしい。というのも、彼らの中には1ボタンなら、ボタンはこの位置というのが決まっていて、勝手にそれに修正してしまうのです。