(2)「精神論上司」はこんなタイプ
【傾向と特徴】
・やる気はあるが、仕事がデキる人も、デキない人もいる
・難しいことを考えるのは苦手
・部下や後輩の面倒見はいい
・自慢話が大好きで、同じ話を懲りずに何度もやる
【注意点】
・人柄はよいが、熱意がありすぎで空回りすることも
・仕事は行動量でカバーするタイプ。部署として残業が多くなる
・うまくいかない原因が「気合」の有無になりがちで、根本的な問題解決にならない
・部下への指示にロジカルさがなく、クレバーな部下からは軽くみられがち
・頼りにされないと、寂しがる
【口ぐせ】
・気合でやれ!/気合が足らん!
・じゃあ飲みにでも行こうか!
・お前それでもプロか!? 根性がないぞ!
【地雷】
・あ、コレ、私一人でやりますから・・・
・スミマセン、ちょっと微熱があるみたいなんで、今日はお休みさせてください
・飛び込み営業なんて効率悪いやり方より、メールのほうがいいですよ
【ウケるセリフ】
・スミマセンッ!気合が足りませんでしたっ!! 気持ちを入れ替えて頑張ります!!
・他ならぬ○○課長にこそ、私の悩みを聴いて頂きたいんですよ・・・
・私、△△部長のお蔭で、営業の楽しさに目覚めた気がします!
【分析】
気合と根性は確かに重要だが、残念ながらそれだけでは解決できない問題がたくさんある。上司から具体的な解決策を出してくれないことには、経験値が不足している部下や新人としてはどうしたらいいか分からない...という困惑にも繋がってしまうことだろう。
このタイプの上司に共通するのは、マスコミなどで語られる、いわゆる「昭和的価値観」というものだ。「気合と根性はあって当然」のほか、「部下が上司の指示に従わないのはありえない」、「体調管理は自己責任」、「プライベートの時間を割いてでも、自腹を切ってでも、部下の面倒をみるのが上司の役割」、「給与や福利厚生ではなく、仕事そのものが報酬」などといった考え方である。
あなたにとっては受け容れ難いものでも、彼ら上司たちはその価値観の中で育ってきたのだ。まずはそういう前提条件がある、という認識から始めてみよう。
【対策】
このタイプの上司への対処法はシンプルだ。「自分が一生懸命頑張っている姿を見せる」ことに尽きる。とにかく、上司にとっては部下の「一生懸命取り組む姿勢」が可愛いのである。
業績不振の原因はすべて「気合と根性が足りない」。「なぜこんな結果になったのか?」といったロジカルな分析がなされないのを目の当たりにすると、地頭のいいあなたにはどうももどかしく、このタイプの上司を苦手に感じるはずだ。
ここはあえて、これまで「ニッポンのカイシャ」をつき動かしてきた「昭和的価値観」にドップリ浸かって仕事してみるのはどうだろうか。
予算未達成を真剣に悔いる。休暇取得や病欠を「当然の権利」と思わずに、周囲への配慮を示し、「こんな大事な時期に病気なんて・・・くやしい!」という気持ちになってみる。そういったスタンスで仕事をしていれば、上司はもちろん周囲のメンバーまで、あなたの味方になってくれることだろう。
それは決して「社畜」への道を選ぶということではない。「目の前の相手が大切にしている価値観は何か?」「どうすればこの相手を喜ばせられるか?」と考えて仕事をすれこととイコールなのである。これが習慣化すれば、自然に成長もできるようになるだろう。