中小企業庁が2015年4月24日、まとめた「小規模企業白書」が話題になっている。白書では、将来の地域経済などを担う「新たな働き方」として、「フリーランス」の実態を初めて調査。その中で、フリーランスの6割が仕事内容に満足している一方、「社会的評価」や「収入」については、「満足している」人が2割未満であることが分かった。年収も、「300万円未満」が多くを占める。ネットでは、こうしたフリーランスの実態に、反響が相次いだ。
年齢構成、20代以下は約1%
白書では、中小企業基本法などにもとづき、おおむね常時、使用する従業員の数が20人以下(商業・サービス業は5人以下)の事業者を、「小規模企業者」と定義。この中には、会社だけでなく、フリーランスも含まれる。
フリーランスの年代は、50代が38.3%、40代が36.3%と最多を占め、次いで60代以上が13.5%、30代は10.9%で、20代以下は、わずか1.1%だった。前職は「中小企業の役員・正社員」が過半数で、企業での経験を活かせる中高年が「フリーランス」の中心だ。
一方、フリーランスの手取り年収をみると、1000万円以上はわずか2.7%。「100万円未満」が23.1%、「100万円~300万円未満」が36.8%と、約6割が、300万円未満だ。貯金の金額も、「100万円未満」が約4割を占めている。そんなフリーランスたちに、自分の働き方をどう感じているか聞いたところ、「自由度・裁量」「内容・やりがい」「生活との両立」については「満足」との回答が6割を超えた。一方、「社会的評価」に満足しているのは19.2%、「収入」に満足しているのは、14.5%にとどまった。将来の年金や、社会保障、健康状態を気にする人も多い。
こうした調査結果が、大手新聞で報じられると、ツイッターでは、反応が相次いだ。「そりゃー、そうだろうなぁ」と、共感を示す声があがる一方、収入が『不安定』な「フリーランスは、これからも増えるだろう」と、将来を予測する人もいる。
「会社員では経験できない仕事ができる」
実際に、フリーランスをしていると思われる人からは、こんな声も。「労災が下りないから、フリーランスつらい」、「日本という国はフリーランスの事業者に対して厳しいという現実。健康診断はあくまで任意だし、老後の年金も雀の涙・・・・」など、社会保障の面で、不安を覚える人が多いようだ。「フリーランスでは食べていくのも厳しい状態・・・やはりどこかにお勤めする方が良いなと思い、現在就活中なんです~」というつぶやきもあった。
ただ、「フリーランスは良いも悪いも自己責任。運動しないのも健康診断うけないのも、睡眠時間が滅茶苦茶になるのも食事が悪いのも。だから、自分自身でいい流れを作れれば、どこまでも果てしなくいけるモノだと思うよ」と、主張する人もいる。「会社員やってたら絶対に出来なかった仕事を色々やれる!」という声もあった。さらには、「フリーランス6年目ですけど、やっぱり楽しい。というか、飽きない。性格にあってるんだろうな」という人も。「つらいときに自由にベッドに倒れ込むことができるのは、フリーランスのいいところですね!」と、会社員では味わえない「自由」に、メリットを感じている人もいるようだ。(KH)