私がはじめて仕事以外で海外で一人旅をしたのが1999年のタイ・バンコクです。
当時はスカイトレインも走っておらず、街に走っている車も自動車ではなくトゥクトゥク(オート三輪)が中心で、まるで、2015年のプノンペンのようでした。
あれから15年。
インドやラオスに行くときのトランジットに立ち寄ったり、タイ工場で仕事をしたり、世界一周旅行の最後に立ち寄ったりと、2年に1度以上のペースで定期的に立ち寄っていました。
バンコク、いつの間にこんなにでかく
訪れる度に整備されるインフラ、増えていく高層ビル、洗練される道行く人のファッション。21世紀最初の高度経済成長の様子を、ちょっと離れた距離から見ることが出来たのは非常に良い経験でした。
そして、先日、久しぶりに(といっても1年4か月ぶり)にバンコクに訪れました。
今回は、プノンペン→バンコク→福岡という飛行機の乗り継ぎだったのですが、ついうっかり、プノンペン→バンコク ドンムアン空港と、バンコク スワンナプーム空港 →福岡空港の飛行機をとってしまったため、無料の空港連絡バスでバンコクを縦断することになってしまったのです。
空港から空港へ向かうバスの車窓からみて驚いたことは、ほぼ最初から最後までバンコクが「都会」だったことです。
日本の地方都市でも、欧州の街でも、車で数十分走ると住宅が姿を消し、農業地帯が始まります。しかし、バンコクを小一時間かけて縦断すると、ずーっとキラキラとした街なのです。
そこにはスカイトレインが走り、欧州のブランドの広告がでかでかと飾ってあり、綺麗な自動車がハイウェイを走り抜けています。
来る度に街が広がり、来る度に綺麗な自動車が数が増え、来る度に電車や高速道路が伸びていったこの街。改めて考えてみると、いつの間にこんなにでかくなったんだと思ってしまいます。
その成長を見守っていく
また、はじめてバンコクに来たときに使ったドンムアン空港は、今もまだぼろっちいままで、格安航空会社だけが使う空港として細々と現役を続けています。そして、新空港スワンナプーム空港は、光の渦のような、ガラス張りの美しい空港です。
そのボロさとキラキラさは、バンコクのこの15年の進化の象徴のようなものであり、新空港でバスを降り立った後、しばらくそのキラキラした光景に魅入ってしまいました。
こうやって、ひとつの街を定点観測して、その成長を見守っていくというのは、とてもおもしろいことです。住んでしまうと、毎日その街を見ることになってしまい、その変化のダイナミズムに対する感覚も薄れてしまいます。そこで、1年に1回とか2年に1回ずつ、十年以上かけて、何度も訪れて見るというのは非常に楽しい趣味になると思います。
特に、今まさに東南アジアの国々は、年々途方もない進化を遂げています。
是非皆さん、お気に入りの国をひとつ作って、何度もそこに訪れてみるのはいかがでしょうか?(森山たつを)