挨拶をしなくなった原因は・・・
話をAさんに戻すと、人事担当者の方はAさんのことを気にかけていて、「良いものを持っているのに損している。少し変えれば今後、活躍の場が広がるはずだ」と思っていて何とかしたいと考えていました。
ほどなくして新人対象に研修を実施することになり、Aさんにいろいろ話を聞いていくと分かってきたことがありました。挨拶ということにフォーカスして聞いてみると、挨拶をしないのは、何回か上司に挨拶したら無視されたので、それからしなくなったのだそうです。何回かというのは、具体的には2回でしたが・・・。
先輩の中にも挨拶をしない人もいるので、それを見て、なら自分もやらなくてもいいかと思ってしまったそうです。
Aさんは声が小さいので、ひょっとしたら上司は聞こえなかったので挨拶をしなかったのかもしれません。実際に上司に確認してもらったら、挨拶してもらった覚えはないとのこと。
こういうすれ違いによって起きてしまうというのは、ある意味恐ろしいことです。
ちゃんとやろうとしているけど、やっても意味がないと勝手に解釈してやらないようになってしまうのですから。
もっと恐ろしいのは、皆さんが思っている以上に新人は上司や先輩の言動を見ているということ。無意識にやっていることを新人はしっかり見ています。
Aさんは自分の課題の1つとして、相手の返事があるなしに関係なく挨拶をし続けるということを決めて実行することにしました。
すると、上司や先輩は「Aは最近少し変わってきたな!」と感じ、かまうようになってきたのです。