新人にさっそく「ダメ社員の烙印」 でも実は「濡れ衣」だった!

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挨拶をしなくなった原因は・・・

   話をAさんに戻すと、人事担当者の方はAさんのことを気にかけていて、「良いものを持っているのに損している。少し変えれば今後、活躍の場が広がるはずだ」と思っていて何とかしたいと考えていました。

   ほどなくして新人対象に研修を実施することになり、Aさんにいろいろ話を聞いていくと分かってきたことがありました。挨拶ということにフォーカスして聞いてみると、挨拶をしないのは、何回か上司に挨拶したら無視されたので、それからしなくなったのだそうです。何回かというのは、具体的には2回でしたが・・・。

   先輩の中にも挨拶をしない人もいるので、それを見て、なら自分もやらなくてもいいかと思ってしまったそうです。

   Aさんは声が小さいので、ひょっとしたら上司は聞こえなかったので挨拶をしなかったのかもしれません。実際に上司に確認してもらったら、挨拶してもらった覚えはないとのこと。

   こういうすれ違いによって起きてしまうというのは、ある意味恐ろしいことです。

   ちゃんとやろうとしているけど、やっても意味がないと勝手に解釈してやらないようになってしまうのですから。

   もっと恐ろしいのは、皆さんが思っている以上に新人は上司や先輩の言動を見ているということ。無意識にやっていることを新人はしっかり見ています。

   Aさんは自分の課題の1つとして、相手の返事があるなしに関係なく挨拶をし続けるということを決めて実行することにしました。

   すると、上司や先輩は「Aは最近少し変わってきたな!」と感じ、かまうようになってきたのです。

野崎大輔(のざき・だいすけ)

大学卒業後に無職、離職を繰り返し社労士として独立し、企業の労使トラブルの解決に奔走する。2013 年7 月に自律型人材育成専門コンサルティングを行うデストロイ・ジャパン株式会社の創業メンバーに加わり、専務取締役に就任。社員が自発的に行動する組織作りに注力している。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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