前田敦子と就職先人気ランキングとの意外な関係

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AKBで知っている人といえば・・・

   AKBの人気投票もそうだ。AKBのファンと、一般のひとの投票結果は違う。AKB内部の選挙では、それぞれのメンバーの細かい実力が反映されるが、一般の人からは、「あえての推し」とか、そういうのはよくわからないはずだ。

   私なども、AKBはさっぱりわからず、前田敦子(すでに「卒業」)と指原莉乃(HKT)しか知らないので、人気メンバーを聞かれたらそう答えるしか無い。知っている人しか答えられないのである。前田敦子はすでにメンバーではないことはさすがに知っているが、それでも、前田敦子ぐらいしか知らないのだ。

   学生の就職人気ランキングとはそんなレベルである。単に、世間的に知っている有名でイメージのよい企業の名前をあげているだけである。

   もし、たったひとつだけ、学生の人気ランキングに有用性があるとしたら、将来衰退しそうな企業を的確に当てていることである。すでに有名で普及しきっているものは、すでに産業サイクルの終盤にさしかかっており、航空産業のようにコモデティ化し、儲からない。

   約20年前の就職ランキング(1993年)を見るとわかる。この1990年台初頭に人気ランキングでぶっちぎりに強かったのは、ソニーである。その少し前はNECが圧倒的な人気だった。そして、現在、日本の家電やエレクトロニクス産業が軒並み競争力を失っているのは、みなさんのよく知るところである。(大石哲之)

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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