取引先が「駆け足で逃げていく」営業 その「自己中心的な発想」とは

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   時間がかかり過ぎて、関心度合いが希薄になっているような気がしてならない、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の日米交渉。ついに、締結が近づいているのでしょうか?甘利TPP担当大臣は、アメリカ向けの自動車部品の関税の即時撤廃で「相当な部分で歩み寄ることができた」と明らかにしました。アメリカ側の交渉責任者も、「日米間の溝は残っているが、双方が、政治の意思で合意を達成できると自信を持っている」と、楽観的な見方を示しました。

   政治の世界ではお互いの譲れない前提条件をもちつつ、落としどころを探るべくタフな交渉が必要なもの。日米政府が交渉=すり合わせを丁寧に重ねてきた努力の賜物といえるのではないでしょうか?

「来年以降の仕事はありません」と三行半

ズレを修正する
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   そんなすり合わせに関して、仕事で苦手な人がいます。まさに結果として取引先から「契約はしません」とか「別の会社にお願いします」と逃げられる営業。逃げられるということは、それまで追いかけてきたわけで、時間と手間を考えるとガッカリ感は否めません。ましてや、逃げられることが何回も続くと、

「おそらく、次も上手くいかないに違いない」

   これまで実績がある営業でさえ、自信なんて吹っ飛んでしまいます。当方も、営業時代に取引先に逃げられて頭を抱えた経験があります。新たに担当した取引先から「来年以降の仕事はありません」と三行半を突きつけられたのです。

「どうしてですか?何か失礼でもあったのでしょうか?」

   理由を聞いても、「別の会社にお願いすることにしました」と回答があっただけ。この状態から、幾ら追いかけても取引が復活することはありませんでした。大いなる反省の機会となりました。さて、みなさんは取引先に逃げられたことはありますか?取材で各界の営業職の方々に訊ねてみたところ、

『取引先に逃げられたことのない営業なんていない』

と回答が返ってきました。考えてみれば当たり前。関わったすべての取引先が逃げない、完全無比な営業なんていません。ただ、逃げられる確率の高さには違いがあります。では、大いに(高い確率で)逃げられてしまう営業には、どのような特徴があるのか?それがすり合わせの頻度ではないでしょうか?

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
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